医療ニュースと雑感2010
~~医療ニュースと雑感(10年度)~~
心肺蘇生のABCの順序はCABに変更せよ 米国心臓協会(2010年12月21日)
心肺停止の人にA(Airway:気道確保)、B(Breathing:人工呼吸)、C(Compression:胸骨圧迫)の順に行えと言われてきたが、心停止後の患者の肺や血液に残る酸素を一刻も早く脳や心臓に送る為、胸骨圧迫(体外からの心臓マッサージ)を最優先せよ。と提言した。・・・なるほど言われてみれば、その通り!です。
胎児超音波診断で中絶や差別の助長 NHKクローズアップ現代(2010年12月14日)
妊娠時の超音波検査は胎児の発育状況を診るのに欠かせないのですが、近年画像解像度が著しく良くなり、先天異常を知らされるケースがあり、それで中絶した女性のインタビューがありましたし、これは社会において障害を持った人への差別を助長するとの指摘もあり、考えさせられました。
延命 ある少女の選択 NHKクローズアップ現代(2010年12月8日)
先天性心疾患で心臓移植、更に脊椎湾曲、気管切開もした少女(18才)が今年初め、腎不全を発症。人工透析をしないと生きられない状態となった時、本人が人工透析までして延命することを拒否、両親が延命を望んでも本人の意思は変わらず、今年9月になくなった一連の事を番組として報道していました。
これは尊厳死のテーマですが、いつも明確な回答など出せないものの、この番組の中で、声を出せない少女が書いた「命は、長さじゃないよ、どう生きるかだよ。」には私も誠に同意しました。私見ですが、病気や怪我の後遺症などあっても、まだ何か生産的な事が出来るなら頑張って生きていくべきだと思います。
性同一性障害 小6男児、女子として中学入学へ 兵庫 (2010年12月1日)
この記事では「新設したサポートチームを中心に支援していく。」などとお茶を濁したか記事しか書いていませんが、中学入学後に第二次性徴で体がどんどん男性化していくのをどれだけ真剣に対応してくのか知りたいです。女子としてやっていくためには結局は薬物投与や手術をしないといけないのですが、12歳にそこまでやって良いのか私も分かりません。美容外科学会で「木村先生は随分派手な手術をしますね。」と言われたこともありますが、患者さんが成人に達してから苦悩の上の決断なら理解できたというものです。
JIN-仁が連載終了(2010年11月25日)
JIN-仁とはスーパージャンプに10年に渡り連載された医療漫画ですが、TV化されご存知の人も多いと思います。私は連載当初は読んでおり、江戸時代にタイムスリップした後、ペニシリンを合成するあたりまでは欠かさず読んでましたが、その後は自分が開業したりで忙しく連載が続いている確認だけをしていました。
作者の村上もとか氏の名を私が知ったのは私が高校生の頃1976年-1977年に少年ジャンプで「熱風の虎」を読んでからです。当時はスーパーカーブームで、村上氏は編集部から「熱風の虎にスーパーバイクを出せ!」と当時煩かったとか父は絵描きだったとか述べていた事を私が浪人の頃、何かの漫画雑誌で呼んだ記憶があります。他に「赤いペガサス」などの傑作も描いており、漫画家を目指していた当時の私は村上氏の思慮深い作風に尊敬の念を抱いていました。
どこまで伸びる? 身長の不思議(2010年11月20日)
20~29歳の日本人男性の平均身長は171.7cm。終戦直後は160cm程度だったそうですが・・・。(R25)
・・・私は脚延長(骨延長)の手術を以前はやっていたので、この件には関心がありますから、R25の記事にコメントしたいです。
①「終戦直後は160cm程度」とは誤りで160cm台半ばはありました。
②欧州人と日本人の身長の差は思春期の開始が日本人の方が早いから骨端線の閉鎖が早まってしまうので、中学生の頃は差が少なく、高校になってから差をつけられるので、記事で栄養(乳製品)の差とありますが、そんなに簡単に言わないで欲しいです。
③また、寒い地方に住む民族ほど長身などとも書いていますが、オランダは西岸海洋性気候でそんなに寒くないです。ロシアの方が明らかに寒いですが、ロシア人はプーチンやメドベージェフのようなもので身長がそんなに高くありません。
提供卵子で出産、年間100人以上…慶大推計(2010年11月13日 )
自分の卵子で出産を望めない女性が卵子の提供を受けて出産するケースが増加し年間100人以上が誕生していると調査した慶応大産婦人科が日本生殖医学会で発表。(読売新聞)・・・慶大産婦人科は30年前から不妊治療に熱心で、私が学生の時は慶大医学部の学生の精子の冷凍保存し、夫が無精子症の奥様に人工授精するのが有名でした。なお慶大医学部の学生は精子提供1回に付き1万円もらうとも聞いていました。
蓄のう症の手術後に左手足麻痺:大牟田市立病院/630万円支払いで示談(2010年10月27日)
蓄のう症の手術で、くも膜下出血と脳幹出血を発症。手術に使ったノミの衝撃が脳に影響を与えたとされる。(読売新聞)・・・大牟田市立病院は私が丁度20年前に麻酔科常勤医として勤めていた所ですから、尚の事「ええっ!」と驚きました。ノミで対孔空ける位でこんなことは起きません。きっと示談は病院側に過失も因果関係もなくても原告の弁護士費用と裁判費用の捻出の為に裁判長が和解勧告したものです。数百万の支払いは大岡裁判として「期待権の侵害」か「説明義務違反」の名の下に出される事がありますが、あれを法律論議から通らないと見る裁判官は、こじつけの過失と因果関係で数百万をひねり出します。
自転車の利用促進、身体活動の増進効果は不明(2010年10月22日 BMJ)
自転車の利用促進を目的とした介入法およびその効果を、比較研究のシステマティックレビューで調査。自転車道路網の整備、地域レベルの取り組み、環境に優しい交通手段としての個別マーケティングが利用促進に有効だったが、著者らはこれらの介入が身体活動の増進などに結びつくかは不明と結論している。・・・バイコロジー推進協議会には残念でしたね。と言いたいです。さてバイコロジーとは、バイク(自転車)とエコロジー(生態学)の合成語で日本では昭和47年から、TVコマーシャルなどで普及に努めています。私はその当時のTVコマーシャルソングをまだ覚えています。「♪~今、聞こえてくるのは自然の音じゃないです~か。自然が感じる息吹きでしょう~か。自転車に乗ろ~う(中略)バイコロジー!」
イヌ・ネコ咬傷、ナイロン糸ドレナージで感染防止(2010年10月19日m3.com)
夏井睦先生は「垂直型咬傷では、腔に溜まった液体は正常な循環から切り離されており、いったん感染が起きると、感染を抑えることが難しい。抗菌薬を投与しても、血液を介して運ばれる抗菌薬は十分に腔内には届かない。さらに 貪食細胞も入り込めない。重要なのは溜まった液体を外に排出すること、広い抗菌スペクトラムの抗菌薬を投与すること。創の消毒、創内の洗浄は実質的な効果はなく、ナイロン糸ドレナージを掛けるということ。創面を、吸収力の強いポリウレタンフォームやアルギン酸などの被覆剤で覆い、液体を吸い上げること。裂創でも縫合しなくてよい。」・・・これは創傷治療学でいう難治性感染症に対するオープン治療でしょうが、私は「創内の洗浄は実質的な効果はなく」の意見には異を唱えたくあります。しかしたぶんそう簡単に細い牙が組織に刺さったところを上手く洗うなんて無理ですよ。と夏井先生は言われているのだと思います。
レーザー脱毛、事務員に指示=医師法違反容疑で医師ら逮捕-広島県警(2010年10月15日時事通信 )
事務員にレーザー脱毛をさせたとして、広島県警と福山東署は13日、医師法違反容疑で福山の美容クリニックの院長ら3人を逮捕した。しかし「レーザー機器を使用した脱毛行為は医師法上あいまいだ」などと話し、容疑を否認している。・・・これが光脱毛だったら間違いなくクリアでしたが、それが光脱毛機は法律上は医療機器扱いでないからです。しかし光脱毛の光が目に入ったら危険なのはレーザー同様なので、私は法律上の区分に異議を申したいです。おかしな事がまかり通るのは、推論ですが、エステにとって脱毛は大きな収入源なので、光脱毛をエステで行えなくなったら死活問題なのため、多大な政治献金をして政治家に医療器具扱いにさせなかったからでしょう。エステサロンも団体として多大な政治献金していますのは公然の事実です。
禁煙したいが、薬がない! 値上げで患者増、供給不足 (2010年10月13日 共同通信社)
製薬大手ファイザーは12日、禁煙補助薬「チャンピックス錠」について、禁煙希望者が増えすぎ要望に応じた供給ができないと発表。新規患者に供給できるのは来年初めになる見込み。・・・たばこ値上げで禁煙治療を受ける人が増えたのは良い事です。なおチャンピックス錠は、たばこを吸ってもおいしく感じなくなる効果があるといいます。
全国で2.4万人超の医師が不足―厚労省・医師不足実態調査 (2010年9月29日 医療介護CBニュース)
・・・でも今後2.4万人の医師の充足しても、その時まだ不足していると私は思います。それは①新臨床研修制度の続行で派遣病院は医師不足が続く ②医学の発達が医師の仕事を増加させている ③訴訟増加が医師のムリな診療を控えさせ他の医師が必要となっている ④女医の増加は産休・育休・常勤や当直止める医師の増加へ ⑤高齢者増加は患者の増加・・・この①~⑤はよく指摘されていますが、私はもう一つ思います。⑥医師が自分のプライベートを大事にするようになった・・・医学生、研修医、若い医師と話したり書いている事を読んだりして思うのですが、我々の研修医時代のように卒後各科に入局したら数年はほとんど休日も取らず毎日夜中まで働くのを「医者なら当たり前だろ!」とは今の若い世代は思わなくなった、だから無理して働かない。これが医師不足の一番の原因と思います。でもそれが悪いというより過去に医師が3人必要なところ1人の医師に超人的な過重労働を強いさせて見て見ぬ振りをして来た医療行政が悪いのだと思います。
ノーベル賞有力候補に山中教授ら…米情報会社 (2010年9月21日 読売新聞)
米国の情報提供会社トムソン・ロイターは今年のノーベル賞の有力候補として、iPS細胞(新型万能細胞)を開発した山中伸弥京大教授(48)ら日本人3人を含む21人を発表した。・・・山中伸弥教授は昭和62年の医学部卒業、同年整形外科医としてスタートということでは私と同じなのですが、整形外科医としてリウマチの患者さんの変形した関節を見た時、ショックを受けて、その病根から治す研究をしようと基礎研究者になったそうです。素晴らしいです。またその研究成果が実を結んだのが更に素晴らしいです。基礎研究をやっていて報われない医師は日本では多いようです。
「リスク高い医療で感染症」で刑事罰を問うのか ( 2010年9月17日 m3.com)
@感染管理がきちんとできていないことを理由に刑事罰を科すのであれば、その対象は病院職員全員。
@「このままだったら、死亡するかもしれない」という症例は、引き受けない方が賢いということになりかねない。治そうとして努力したら、逆に(死亡した後)業務上過失致死罪に問われる。
@よく冗談で、「MRSAを減らす一番いい方法は何でしょう。それは検査しないことです」と言っていました。
・・・以上:自治医科大学附属病院、森澤感染制御部長。
帝京大学病院を警視庁が業務上過失致死の疑いもあると事情聴取 (2010年9月6日 産経新聞)
帝京大病院で院内感染が発生した問題で、警視庁捜査1課が業務上過失致死の疑いもあるとみて、医師ら病院関係者らに対し任意の事情聴取を始めたことが6日、捜査関係者への取材で分かった。・・・産経のこの恣意的報道は些細な事実を大きく取り上げることで全体像を脚色するものです。1999年の横浜市大患者とり違い事件の報道以降、私は産経新聞の医療の報道を読んでは、ある種の狙いを感じています。産経新聞とは医療に厳しく国益的には右派親米的との印象です。
観光と医療をセットにして外国人旅行者を呼び込む「医療ツーリズム」…独協医大と日光東照宮 (2010年9月2日)
栃木県の独協医大が観光客誘致に力を入れる日光東照宮(同県)と共同で、社団法人「国際観光医療学会」を発足させる。同大は4月、日光医療センターに全国でも珍しい「観光医療科」を新設。鬼怒川温泉のホテルと提携し、国内外の観光客を対象に、宿泊と人間ドックをセットにした医療サービスを始めた。・・・医師不足で国内の患者への診療もままならないのに、金儲け目的で外国の患者を呼び込むとは何事!と思います。
<ホメオパシー療法>「科学的根拠なし」学術会議会長(2010年8月26日 毎日新聞 )
山口県で昨年10月、助産師にビタミンk2の代わりにホメオパシー療法の特殊な錠剤を飲まされた乳児がビタミンk欠乏性出血症で死亡した事を受け、日本学術会議の会長は24日、「ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されている。医療関係者が治療に使用することは厳に慎むべきだ」との談話を発表した。
ホメオパシー療法は18世紀末ドイツのサームエル ハーネマン(写真)から始まった。病気と似た症状を起こす植物や鉱物を何度も水で薄めてかくはんし、この水を砂糖玉にしみこませた錠剤(レメディー)を服用して自然治癒力を引き出し、病気を治すといが元の物質は水にほとんど残っていないが、実践する人たちは「水が記憶している」と主張している。
・・・全く荒唐無稽な話です。今の私はオカルトまがいな事で素直な人々を混乱に陥れている人々に激しい憤りを覚えます。
不同意堕胎、刑の猶予確定 検察と弁護側双方控訴せず(2010年8月24日 共同通信社)
交際女性に薬剤を投与して流産させたとして不同意堕胎罪に問われた東京慈恵会医大病院の元勤務医小林達之助(こばやし・たつのすけ)被告(36)を懲役3年、執行猶予5年とした東京地裁判決について、検察側、弁護側ともに控訴期限の23日までに控訴せず、24日午前0時に確定した。・・・刑事裁判は早々に落着し執行猶予は付きましたが、医道審議会が見過ごさないでしょうから、後日医師免許停止か剥奪になると思います。
夫婦は似た顔になる(2010年8月05日 webR25 写真:産経新聞 )
子どもが親をまねたり、ファンがその芸能人をまねたりするのがモデリング。この手本(モデル)に自分を近づけようとする心理がラブラブの夫婦にも働くと言います。その結果、ラブラブ夫婦の場合、表情筋の使い方が同じようになるので似てくるのだそうです。また結婚相手には自分とまるで異質な感じの顔の人は選ばない傾向なので、最初から似た感じの顔で選んだ夫婦も多いそうです。それと、「犬は飼い主に似る。」という言葉もありますが、上記と同様なのでしょうか?
来日直後に生活保護…中国人、医療扶助目当て(2010年7月30日 読売新聞)
埼玉県内に住む中国残留孤児の親族として来日した中国人3世帯が、来日直後に生活保護を申請し、うち1人が、自己負担なしで治療を受けられる「医療扶助」を利用して、来日前から悪化していたとみられる腫瘍(しゅよう)の治療を受けようとしていたことが30日、埼玉県の調査でわかった。・・・私は美容外科の自由診療的な考えから、高福祉は馴染めません。福祉の恩恵を受けない人からも高負担を強いますし、この記事のように福祉を食い物にする人はい多いからです。年金だって年金運用事業所のコストが発生しますし、天下りや非効率な運営でお金がどんどん消えていますから、いっそ年金制度なんか無い方が良いと思っています。
イタリアで医師らがスト 医療予算の削減に反対、1万件の手術が先送り。(2010年7月28日 共同通信社)
イタリアの医師や医療補助者らは7月19日、政府の発表した医療関係予算の削減に反対し24時間ストライキを実施。同日に予定されていた約1万件の手術が先送りされた。・・・さすがはヘタリア。生真面目なドイツ人や日本人には出来ない事。ただ手術を先送りされたイタリア人患者自体が鷹揚に受けとめてくれたのではないかという気がします。(なお北イタリア、地図で薄紫の地域は南チロル地方で北半分のボルツァーノ自治県はドイツ語が普通に通じる本来オースリー領のままであるべき地域ですがイタリア領内である事に歴史の非情さを垣間見ます。そして民族のアイディアンティーを保つ為にはテロや実力行使を断行して自治を勝ち取った住民は偉いな。と感心します。)
朝の高脂肪食摂取は代謝を正常にする。(2010年7月22日 Medical Tribune)
寝る前の高カロリー食は不健康になるとか、王様のような朝食・王子のような昼食・貧民のような夕食が健康に良い。とは以前から聞くことですが、週刊Medical Tribuneに「朝の高脂肪食摂取は代謝を正常にする、朝の高炭水化物摂取はメタボになる」ような研究成果が載っていました。「1日の最初の食事がその日の代謝系を左右する。脂肪の豊富な朝食を摂ると脂肪利用の代謝系に移行する。」とあります。また「就寝前の低カロリー食が健康増進」ともありました。
蛇足ですが、このMedical Tribuneは毎週タダで送られてきます。以前「後で請求書を送られても困ります。」と電話しましたら、「タダでお送りしています。」と言ってくれました。こんなご時勢に不思議です。
私立歯学部の17学部のうち11学部が定員割れ 、充足率5割以下も (2010年7月9日)
「不況で高額な学費負担ができないことや、歯科医師の過剰などのイメージが広がったため」らしいですが、私が中学生の頃は、「歯科医は楽して金が儲かる、すぐ開業できる。医師より良い。」などと言うことを聞かされたことがあります。今は状況は様変わりで過当競争で大変でしょうが、歯科医が不要になる事は無いですから、良い仕事を続けていれば落ち目にならないと思います。それは小児科も美容外科も同じ事と思います。
医学部新設の容認検討 30年ぶり方針転換 (2010年6月21日) 文部科学省は18日、1980年以降認可していない医学部新設の容認に向け、本格的に検討する。早ければ2011年度にも告示や大学設置基準を見直したい考えだ。ただ、法科大学院のような乱立を避けるため、文科省は新設校候補として(1)既に看護や薬学などの学部がある(2)医療系の基礎科目の教員がいる(3)実習先として地域の病院が活用可能-などの条件を想定。検討の場で是非を論議する。・・・これなら筆頭1番は「国際医療福祉大学」でしょう。高木邦格理事長には、みんなの党の渡辺喜美代表のバックアップもあるでしょうから実現可能性大です。
日医が月刊誌『WEDGE』ニ抗議(2010年6月18日)半年前のニュースですが、日本医師会副会長が昨年12月にフジサンケイ系列の月刊誌『WEDGE』の記事に対し抗議の声明を発表していたのを知りました。実はこの雑誌は私は年に数冊位を12年間読んでいました。「たちあがれ日本」のような感じのビジネス系雑誌で医療の事はあまり載っていなかったですが、あった場合は、この出版会社が産経新聞絡みですから医療に対してはロクな取材もせずに敵意剥き出しの産経調だった記憶があります。今回の記事も内容を読んで酷いと思いましたが、ここでは見出しのみ上げてみます。【表題】「医師会が築いた医療の闇 メスを入れるのは今」: ◆医療費は穴の開いたバケツ(さらなる税金投入は避けられない) ◆レセプトからカルテを作る歯科医(やっていない処置などを請求しているケースもある。不正請求) ◆ずさんな審査の実態 ◆まるで”ゾンビ” 医師会の反乱 ◆医師性善説の時代は終わった
日本美容外科学会(十仁系)←6月28日に開催予定 (2010年6月01日)プログラムを見て感心しました。国が違えば施術も異なると韓国のDr.を多く呼び、通訳は韓国系の材料販売業者様なのが上手いです。そして夏井先生の「湿潤治療」・・・一度は聞くべきで、私も3年前整形外科学会の夜間講習で聞き、懇親会でも更に20分ほど色々教えて頂きました。また青木先生「救急医療ACLS」・・・元茅ヶ崎徳洲会総合病院外科部長。私は弟子の一人とも言えます。ACLSは美容外科医にとっても必須です。
日本整形外科学会総会(東京)(2010年5月27日)休診して参加しましたが、下肢延長発表の会場は空席が目立ち、整形外科医全体としては関心の低いのを実感しました。また生体刺激による創傷治癒促進の発表の際、低出力超音波と電気(電磁)刺激は有用であるのを改めて聞かされましたが、これは美容外科の脂肪注入の定着率を上げるのにも有用ではないか?と思っています。またいつもそうですが展示フロアーがあまりに広く、また1社1社のスペースも大きく、美容外科学会の20倍の規模はあります。ですから業者様の参加費も100万円は超えているでしょう。これが医療機材の価格に組み込まれる訳です。
小林達之助容疑者 不同意堕胎の罪で逮捕の件に思う。(2010年5月23日)もう少し捜査の進展を見守りたいですが、以前、私は「付き合ってる独身医師の子を妊娠したのだけど、相手から降ろすように言われ、どうしよう?」と知り合いの看護師の女性から相談をしばらく受けていた事があります。相手の医師に結婚する気持ちが全くないのを知ると彼女のお母さんは「降ろすべき!」と強く言ったそうです。未婚で子連れの女性が今後良い結婚するのは困難との見解だからでしたが、私も同意でした。彼女は相手の医師を愛していたため、どっちとも判断できず、そのうち連絡が途絶えましたが、たぶん・・・降ろしたと推測します。小林達之助容疑者も報道の大半の事が事実であるとしたならば、そんな事をせずに話し合いで、降ろす結果になったと思います。
支那(China)美容整形バク進の脅威(2010年5月17日)以下のメールが来ました。経済成長著しい支那ですが、美容整形分野も熱いようです。Newsはこのブログ 美容外科・美容整形ヤスミクリニックへ お世話になります、私は中国北京からの中国美容整形協会の●●●●と申します、この度、中国美容整形病院の方々が日本の整形施設に見学させていただきたく、弊社はその代理としてお問い合わせしていただきました。内容は以下の通り1.手術現場の見学 2.術後の質問タイム 3.施設内の見学 4.見学後の見学証明書以上の内容は実現可能の場合、見学料はどれぐらいかかりますか? ぜひともよろしくお願いします。中国美容整形協会 ●●●●
偽(ニセ)女医に病院が200万円支出(2010年5月10日)岩手県立宮古病院が医師不足の折り、循環器科医として応募してきたニセ女医に、職員公舎をリフォームして家電製品を購入するなど計約200万円を支出とありました。・・・浮き足立った病院側の過ちでもありますが、ニセ女医の人は循環器科つまり心臓血管への投薬・処置で人を死なす事への恐れはなかったのでしょうか?またいずれバレるとも思わなかったのでしょうか?私が13年前位に勤めていた大手美容外科にもニセ医者が来たそうですが、総院長はすぐ見破って追い出したものです。
神奈川クリニック眼科(レーシック大手)が破産(2010年5月07日) ダンピング競争激化と銀座眼科での風評が原因と思います。さて神奈川クリニック“美容外科”も既に清算され別法人へ譲渡の上、新宿院だけになってしまっていますが、一時は世界最大の美容外科クリニックでした。10年前くらいなら理事長でオーナーの山子大助先生が洋服を買いに行けば、「ハンガーに掛かっている多数の背広の“ここからここまで”」なんて買い方をしていたと付き人をやっていた人から聞きましたから、卓抜した成功者は違うな~と思いました。実は私は平成3年に神奈川クリニック発祥の地、川崎駅裏のコルトビルに出向き山子先生と面談したことがあります。「包茎専門から美容外科に乗り出す。」と言われていましたので、失礼ながら私は「バブル経済も崩壊して、ちょっと難しいですよ。」などと言いましたが、その後の大発展には脱帽の思いでした。今となっては感慨深いです。
東京医科大が生体肝・腎移植患者・家族から寄付金を受け取っていた(2010年5月02日) 東京医科大八王子医療センターは2008年1月までに、生体肝移植手術を受けた患者から「寄付金」として総額1173万6000円を受け取っていた。同様に腎移植患者からも計190万円の寄付を得ていた。同大学長は1日、記者会見を開き、「大変遺憾に思う」と陳謝した。・・・本件は保険適応にならない薬や器材の代金を自費で患者さんに負担してもらうのを「寄付金」として集めたのです。東京医大の医師個人が貰ったわけでありません。良い薬や器材が医療費削減のために保険適応になってないのです。表だって保険外適応分と明言すれば混合診療となってアウトですから、「寄付金」としたのです。今の保険制度は実際の医療のコストに合わない、はじめに医療費削減ありきです。
徳田虎雄先生vs鳩山由紀夫首相(2010年4月28日) 本日、医療法人徳洲会理事長の徳田先生は、鳩山首相に郷里の徳之島への米軍基地受け入れを拒否しました。 私、木村は嘗て徳洲会の鎌倉・茅ヶ崎の病院に勤めていたので、徳田先生にお会いし握手もしましたが、波長の合うものを感じていました。徳洲会主義とは私に言わせれば、労を厭わず総力戦で臨む事であり、そこに優雅さや趣味を楽しむ余裕などなく、血のたぎる思いで医療を行うものであり、鳩山首相のようなお坊ちゃま君の世界とは随分趣きの異なるものです。 お坊ちゃま君が島の住人の反対を受けて、島への影響力の強い闘病中の徳田先生の鶴の一声を得ようとやってきたのは政治家として卑怯なやり方であり、徳田先生が明確に拒否しましたのは当然です。お坊ちゃま君は先の見通しの無いまま県外・国外を声高に言ってきた責任をとって5月に退陣して下さい。
日本、医療の満足度15% 世界22カ国で最低レベル(2010年4月26日)世界一の長寿国日本なのに泣けます。 【ワシントン共同、ロイター通信】先進国、新興国22カ国での医療制度に関する満足度調査で、「手ごろで良質な医療を受けられる」と答えた日本人は15%、22カ国中最低レベルであることが15日分かった。自国の医療制度に満足している人の割合はスウェーデン(75%)とカナダ(約70%)で、英国では55%が「満足」と回答。韓国、露の満足度は30%以下だった。
GID-SRS (性同一性障害‐性別適合手術)のこと(2010年4月21日) 写真は台湾の性転換モデルですが、男として成熟する前の10代で手術ですから、女性として完成度が高いです。 さて美容外科を営んでいますとニューハーフの人の来院は多いものです。それで1例はSRS(性転換:性別適合手術)を担当しましたし、大変上手く行き、この患者さんからも感謝されましたのでHPやブログも作りました。 GID-SRS には倫理面も絡んだ議論は多いですが、私は「その人が映像として美しくなれそうなら」肯定的で「心に体を合わせて幸せになれそうです。」と話したりします。しかし男として成熟してしまった脳内女のオジサンが来られた時は、「止めた方が良いです。体に心を合わせた方が良い、女性として美しくない!」と話して帰って頂いたりしています。私は昔から判断に迷うような時は『映像として美しいか?』で決めるところがありますが、この件に関してはそれで良いはずです。
なお、上記SRSのブログの表題に「体に心を合わせるか、心に体を合わせるか!? 性とは心を生きると書く。」とは私が作った文章ですが、なかなか名文句と思います。リッツ美容外科開院10周年記念パーティー(2010年3月07日) 本日は私が嘗て勤務したリッツ美容外科のパーティーがリッツカールトンでありました。ここでも高須克弥先生が腹の脂肪彫刻ミケランジェロを披露し、往年のスター西城秀樹さんがエネルギッシュに歌いました。西城さんの歌でアラウンド50歳の我々は昔を思い出し妙に感動しました。広比先生は最後に花束を渡されました。 開院10年と言う事で平成12年の頃が思い出されます。「リッツ美容外科の医者は全員美容外科学会で発表する! 東京院の医者は1人2題発表する!! リッツ旋風!!!」と私は言いましたが皆が気張っていたものです。
中1女子が男子として通学、小2男児が女児として登校(2010年2月26日) 鹿児島の中学校が性同一性障害(GID)と診断された1年生の女子生徒(13)に対し、4月から男子として通学することを認めた。先日の埼玉県の小2男児(8)は女児としての登校を認められたことに続き、学校現場の判断で本人の意思を尊重した形となった。・・・こういう報道がありました。一般には与えられた性で生きるべきとの考えの方が支持されています。しかし私は美容外科をやっていますから正真正銘のGIDの方に時々お会いしますが、ずっと話を聞いていると心の性に体を合わせる性転換手術もやむ終えないという立場にいます。ただ小学生、中学生への対応はよく分りません。
廃止届後にも診療継続:医療法違反(無許可診療所開設)、家宅捜索(2010年2月24日)。横浜フェリスクリニック跡地で 閉院後も美容外科・形成外科を名乗り無許可で診療行為を継続、複数の医師が診療を行っていたそうです。無届とはスゴイですが、美容外科は医療に関係ない人が経営をやっているようなところは恐いです。院長の顔の見えるクリニックが安心です。
研修医給与、週80~100時間働いて年俸360万円。(2010年2月18日)ニュースで「医学部を卒業後の研修医の給与に差がありすぎるとして、厚生労働省は研修医の給与の目安を年360万円とし、医師不足を背景にした過度の厚遇に歯止めをかける。」とありました。しかし厚労省は労働時間の目安は発表しているのでしょうか? 皆、週40時間労働で済みません。夜勤や土日もあります。まあその2倍は働きます。厚労省は労働時間実態も併記して欲しいです。
日本救急医学会関東地方会(2010年2月6日) 日本救急医学会では15年ほど前に専門医になってしまった関係で、ついつい専門医更新のために休診日に学会に出席しています。徳洲会系病院では救急は医療の原点と位置づけられ、ピーポーピーポーが聞こえると皆でERに駆けつけた日が懐かしいです。さて本日はいろんな話が聞けましたが、AED(自動体外式除細動器)が小学校にも常備され、小学生でも使えるように指導が行われている現状です。など聞きますと感心します。そしてここでも児玉安司弁護士・医師の先生が出ました。ダブルライセンスの先生です。東大法卒で司法試験に通ったら新潟医へ行き、今は東大法の客員教授でもある秀才です。なお話を聞いてて法律家でなくても民法の概要は知っておくべきかと思いました。 (2010年2月5日) これを厚生労働省研究班が公表したそうですが、やっぱり豆腐や豆乳は色々と健康に良いようですね。2年位まえだったか、大豆と唐辛子の組み合わせは有意に発毛促進って発表もありました。唐辛子は苦手ですが、豆乳なら牛乳感覚で飲めますから、この2年位だいたい毎日飲んでいます。コーンフレークにも決まって豆乳をかけております。
大豆食品摂取で肺癌リスク半減
創外固定・骨延長学会(2010年1月15・16日開催) この学会には平成2年に入会・発表し定期的に出席していますが、 やはり外傷学の話を聞くのは興味深く、私は骨延長で足を伸ばして身長を高くするという医療にも深い関心もあります。この学会は会員数が総勢572人で、毎回見る顔ぶれも多く和気あいあいという雰囲気があります。また今回は看護師の発表も数件あり、患者ケアに沿った術後管理という点で良かったと思いました。
nanの美容外科の広告が終に3ページへ(2010年1月10日) 私は20年以上前は女性誌「anan」を手にしては後ろの美容外科の広告を熱心に読んでいて、特に昭和63年頃は、各美容外科クリニックの宣伝文をだいたいソラで言えたものです。そしてその後もコンビニ等でザッと見ていましたが、近年はだんだん広告するクリニックが減ってきて、今週号(キムタクが表紙)では、何と3つのクリニックが1ページ広告を出しているだけになっていました。これは美容外科クリニックにとってananはもはや宣伝で費用対効果が良いとは言えなくなった表れでもありましょうが、それ以上に経営が細って広告費が出せなくなっている現実があると思います。 昨年は、美容外科最大手と言われてきた某クリニックがどんどん分院を閉院して年末に東京・名古屋・大阪だけになり、職員給与は1.5ヶ月分遅延していると聞きましたし、また私が嘗て奉職した大手のコムロ美容外科が九州以外は倒産したのを知りました時は唖然としたものです。
中学生に手術体験会? これは国際医療福祉大病院の宣伝でもある?(2010年1月7日) 国際医療福祉大学病院の発祥は福岡県大川市の高木病院で、私は平成元年に勤務、今の理事長の高木邦格先生が東京医大(薬理)から戻った時、少々会話したことがあります。翌年お母様の腹部手術の全身麻酔の担当もして高木病院の事は気にしていましたが、一口に言えば凄い病院でした。私が奉職した頃は毎年100床増床する勢いで900床余りの大病院となり、自民・渡辺美智雄の援助のもとに栃木に老健施設マロニエ苑を開設と言ってましたが、それが今の大学の礎となったのです。明治から続く大川の高木医院が大飛躍を遂げたのはお母様に大変な経営センスがあったからで高木邦格先生はそのお母様のDNAを受け継いでいると言われていました。 下記のこのニュースなんか 良い事でもありますし、大学病院の宣伝とイメージアップになるものです。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~子どもたちに模擬手術体験で外科医の仕事に興味を持ってもらおうと、国際医療福祉大学病院(那須塩原市井口)は、中学生を対象にした外科手術体験セミナーを開催する。実際の手術で使われる超音波メスや手術シミュレーターを使って最先端の模擬手術を行う本格的なセミナーで、県内初の取り組み。セミナーは平成22年3月27日に実施予定で、今月中に受講者の募集を始める。
徳洲会が病気腎移植を再開 医学的妥当性とかで移植自体を進めないより良い(2010年1月4日) 2006年、宇和島徳洲会病院の万波誠医師らが病気の摘出腎を透析患者に移植していた事が長年行われていたと大々的に報道されました。当然の如くの非難と、じゃあどこから腎臓を持ってくるんだという一定の理解が報道で飛び交っていました。私は腎移植の腎臓が足りない中で患者が最小限の費用の負担で人工透析から開放される1つの解決策として実行してきた万波医師を理解した立場でした。癌の腎臓を摘出し、癌をくり抜いて残った腎臓を移植する、そして移植後、意外なほどに腎癌が生じていない。3年前そんな報道だったと思います。
診療報酬0.19%アップなんて馬鹿にしてる(2010年1月1日) 年末に2010年度診療報酬改定がプラス0.19%に決定しましたが、0.19%なんてほとんどゼロと同じ。民主党は世間向けに医療費もプラスで充当したなど言うでしょうが、医療者でない人への目くらましに過ぎません。 医療費は技術革新で治せなかった病気が治せるようになればその度に費用が増えて行きますし、老齢人口が増えると言う事も医療費アップになります。つまり医療費は毎年自然増が起きているわけです。 民主党のような中道左翼政党なら教育と医療には手厚いはずで、診療報酬3%位のアップは望めるかと期待して衆院選でと民主党に投票した医療者も多かったはずです。事業仕分けで切って切ってに力を入れる方が目立ち、GDPを上げ歳入を増やす戦略の方が希薄に見えてしまいます。