顎の中抜き8年後の金属ワイヤー抜去
顎の中抜きの際の固定は金属プレートでなく金属ワイヤー固定で構いません。それで骨癒合に十分な固定性が得られますし、また後日の抜去が容易であることも推奨される理由です。
画像の方は約8年前に私が顎の中抜き+エラ削り(顎側方~下顎角までの下顎骨下縁を切り上げ、および外板削り)を行いましたが、何と今になって金属ワイヤーを抜きたいと言って来られました。通常は害がなくても異物が嫌という人は1年過ぎたあたりに抜きに来られるものです。この人の場合は、社会的な事情から今になって是非抜いて下さいとなったのでした。
さて8年も経つと骨がワイヤーの部分をある程度覆い被さったりして抜去困難だったり、抜く時ワイヤーが切れてしまう事もあるので、割増料金でさせて頂きました。
手術は、くれぐれも慎重に行ったのですが、引き抜く際ワイヤーが左右とも切れて骨の中に残ってしまいました。これには難儀な事ですが極小の平ノミを使ってその部分だけ骨を切り(小さく開窓する感じです)、骨の中のワイヤーを見つけては抜去したのですが、術後直ぐにレントゲンを撮りますと、向かって左に白く点状に見えるものですが、切れ端を遺残させてしまいました。平ノミで骨切りした際、ワイヤーも切ったのだと思います。患者さんは当日はOP後行き先があるそうで、翌日続きをやり、幸い短時間で取れました。
これをお読みの患者さんには、「抜くなら1~2年後が良いです。」と言いたいです。