美容外科での失敗とは
美容外科では患者さんの言葉として「失敗された!」というのがあります。
ところが、一般の病院で患者さんが術後に経過が悪くても「失敗された!」とは、まず言わないようです。私自身も聞いた事がありません。
これは何故か?思うのですが、内臓の外科手術と違い、美容外科は結果が素人にも丸分かりというのがあります。しかしそれ以上に健康な体にメスを入れるのだから上手く行って当たり前、病気や怪我でもないのに美容整形手術が上手く行かないなんて、高い金も出したのに納得できないというところかと思います。
ところが言われた美容外科医師の方は、「失敗とは何たる言い草!医療とは不確実性があり、1000人やって1000人とも同じ経過を辿るものではないぞ。」と言いたいでしょう。実は不確実性は一般医療でも美容外科でも同じようなものなのですが、患者さんの意識として、一般病院が提供する医療の結果と患者さんの思いのギャップは小さく、美容外科クリニックが提供する医療の結果と患者さんの思いのギャップは大きい。というのがあります。
このギャップの大きさは美容外科が全般的な傾向として他科と違い多大な宣伝をして患者さんに来てもらい、リスクを余り言わず予約に繋げる姿勢があることも大きな要因になっています。これは我々は反省しなければなりません。しかし特に個人開業医は患者さんから苦情を聞く事になれば院長自身が聞く事になり、開業を続けて行くうちにリスクも言うし適応が少ない人には手術を勧めなくなる傾向です。また今一歩踏み込んだ手術を避けるようにもなる傾向です。つまり患者さんの希望であっても変化の大きな手術はリスクも大きくなり上手く行けば大喜びでも、上手く行かない場合に修復困難になり医師・患者双方が長く苦しむ事になるからです。