追憶と、新年の抱負

護国神社 今年の美容外科繁栄を祈願 2014年の100年前は第一次世界大戦勃発の年です。この前後の中欧史は私の専門なので、昔はそれに絡んだ読書と思索の日々を送り、哲学や政治談議も好んだのですが、研修医を終える頃にはそれは控える事にしました。それは社会的に意味が薄いからです。医師に求められるのは診療レベルであって、歴史と哲学の蘊蓄ではないのは当然です。
私が高校生の頃は学園紛争など過去の出来事として皆がノンポリになっていましたから、私もマルキシズムに憧憬を持つ事はなかったのですが、マルクスの伝記を読んだ時、「哲学者たちは世界をいろいろ解釈してきたに過ぎない。しかし重要なのは世界を変えることである。」とか、サルトルは少ししか読まなかったのですが、「私の実存主義哲学もアフリカの飢えた子供達には何の意味もない。」・・・このあたりから文学部西洋史学科に行くのを止めました。
美容整形をライフワークに選んだのは17歳の時の直観から来ており、当時は標榜科としての「美容外科」という言葉も無く、「美容整形」でなければ「整容外科」と呼ばれていた時代、内省的になっていた年頃に、それが矛盾を孕んでいるものの本来的且つ一番能力を発揮できるのではないか?と思ったのでした。後に漫画家も志してみたのですが、どうしても週間誌で毎週16頁ペースで作品を作って行く事では、3年程で燃え尽きてしまう。と見極めたものです。
今、日常診療で来院した女性の心の機微に触れ、それを具現化するべく手術を出来る立場に居るのは誠に有り難い事。と思う次第です。