勝訴の判決(続き)
特定非営利活動法人の教育機関から突然連絡があったのは、私が本格的に開業した平成14年初頭の頃です。
そこは医科歯科の開業医へのコンサルの仕事をしており、私が学位を取得していないのを知れば、論文の数や診療実績の記録のことを尋ね、書類として出せるだけの数があるならアメリカの大学で審査をしてもらって学位取得はどうか?」と提案したのです。
その時は直ちに「私は徳洲会主義の医者だから学位は要らないです。」と断りました。
しかし、それからしばらくして又連絡があり、私の論文の検索や専門医取得など調べたそうで、「自分は課長だが部長と共に一度、是非面談させて欲しい。」との事で結局後日の面談となりました。
その頃ですが、開業後の思わぬ悩みが生じていました。コムロ美容外科勤務時の事務長、カウンセラー部長、院長秘書、カウンセラー主任と一緒に開業をしたようなものだったので、患者来院激増で大幅な利益が出ており、経営のための損金をどう作るかということでした。
税理士は法人化や全額損金で落とせる生命保険加入以外に、高級外車の購入、高額役員社宅へ居住まで言って来ましたが、見栄を張るような生活ぶりをするのは嫌でした。
さて上記の課長と部長と面会時に言われたのは、日本での医学博士の取得は大学院で研究するような場合、ネズミやウサギを使った真面目な基礎研究であっても、それは実際の医療に直接役に立たず、一方、論文博士として取得するときはコピペでテキトーな論文を作るか、代筆で暇な先生に謝礼を払って書いてもらって、結局は教授に金を渡して取得するのであって(参照:医学博士なんてチョロイ)、臨床医からすればどちらも乗り気にならないもの。しかしアメリカはプラグマティズムの国ですから、臨床に直接役に立つことで評価し、それで医学博士を授与してくれる大学があるのです。・・・このように聞いた時、少し考えが変わりました。徳洲会はアメリカナイズされた病院でした。アメリカ留学後に日本の大学に戻って不満を抱いている医師を一本釣りして部長で赴任させているケースが多々あり、徳洲会就職の若い医師にはアメリカ留学を奨め、留学中の半年間は毎月給与の半額を受給できました。だから略語で例えば胃癌はドイツ語風にMK(マーゲンクレブス)と言わず、英語の略語SC(ストマックキャンサー)と言っていました。
私は徳洲会では世間の医者の2倍は働いていたと思いますので、その分の証しがあっても良いかと思い、それらの理由で、違法性のない正真正銘の学位ということであれば、話に乗って良いかと思いました。
学位審査申請に日本円で約90万円、審査に通って学位授与後に成功報酬として日本円で約80万円と言われましたが、これは開業医の場合、損金で落とせると言いました。本当なのか税理士に確認すれば「HPのどこかに記載しておけば税務調査官から否認は受けないでしょう。」と言われました。
そして州政府が正式に認可した■■大学の認可証の写しを見せてくれ、その大学からの正式な学位だから違法性はない。キチンと学位審査はしており、我々もこの医師なら大丈夫だろうと思った医師でさえ審査で落ちていることがあるので、費用は申請の際と授与が決まった後の2回に分けて請求している(審査に落ちたら申請時の支払いは無駄になる)が、木村先生は提出書類がこれだけあるならたぶん大丈夫でしょう。と言われました。
(今も現存する)マトモな特定非営利活動法人の教育機関を介しての米国大の学位申請。途中もう少し業績となる資料を送るように催促があって追加分も送っています。そして平成14年12月頃に学位記が届きました。
大学名は先日の勝訴の判決の相手同様の輩が何かにつけ揶揄するでしょうから、伏字とします。まあカーチス・ルメイ大学などと思って下されば良いと思います。戦史に詳しい人なら「とても納得できない」と思う人がいると思えば、「もう分った」という人もいるでしょう。