肩幅を狭くする手術
肩幅を決めている要素の中で一番大きいのは鎖骨の長さと言えます。
ですから鎖骨を骨折して短縮転位してしまうと、肩幅が狭くなっているのを整形外科外来ではよく見かけます(写真では、バンド矯正が上手く行かず、鎖骨が短縮して左肩幅が狭くなっています)。
これを美容整形手術として“鎖骨短縮術”として私は13年前から行っています。
⇒ 症例とレントゲン像
⇒ 内固定に使うスクリュー
ただ問題として大きいのは傷です。皺も何もないところに鎖骨~肩に掛けてメスを入れますので、裸になれば割と目立つ傷が左右同じ場所に出来ます。パートナーにでも見られたら直ぐ気付かれます。
次の問題は、他の部分はそのままに鎖骨だけを縮めるから、胸郭の形が美しくないと言うことです。鎖骨は前方にある骨ですからここだけ縮めれば猫背気味になります。骨癒合後に猫背矯正の何か良い方法があれば別ですが、術後1年位した人の検診では、やっぱり猫背気味です。
上記デメリットがあるのに、それでもやりたいとの事で行うのは、性同一性障害の人(男→女)に対してです。
やはり何とか社会的に女性として生活しているのに体型から「ひょっとして男?! 」と疑われるのは辛いものでしょう。こういう人たちに手術を行っています。
普通の女性は適応外と考えています。少々肩幅が広くても男性に間違われることはないはずだからです。