学会認定の整形外科専門医の取得に想う
昨日、更新された整形外科専門医の認定証が届きました。
この認定証が初めて届いたのは茅ケ崎徳洲会総合病院整形外科勤務時の平成6年3月でした。
あの頃は上に部長が居て、下に多い時は部下が3人居て、毎日キリキリ舞いで週100時間は働いていました。毎日救急車が多数ケガ人を搬送して来ましたから、切って切って切り捲る日々でOP室に限ってでも私の手術件数は年間300人を超えていました。
ですから更新された整形外科専門医の認定証が5年毎に送られて来る度に当時を振り返って感無量です。
あの頃は整形外科医としての腕を更に磨くべく、J医大系列の個人病院に土曜午後14時頃から始まる手術に参加して夜中まで、結構執刀までさせて貰っていました。J医大助教授や講師まで来てはJ医大式の手術の助手も経験させて貰えたので、この土曜は「無給で良いです。」と私は言っていましたが、院長は夏と冬に些少のボーナスを下さいました。
この病院は『日本整形外科学会研修施設』でした。しかし50床の零細病院でもあり経営的には苦しかったそうで、平成19年に病院をやめてしまいました。
私はこの病院に平成3年から19年途中まで16年近く通い、思ったことがあります。「薬屋への支払いもやっと(看護師の言葉)」という病院に、私が通っていた火曜の救急当直と土曜の手術参加をテコにし、保健所へ病院としての常勤医師規定数を満たすため、実際は非常勤なのに「常勤医師として登録しても良いですよ。」「お金の見返りは要りません。非常勤での給与も些少で良いです。但し整形外科学会の認定試験の受験資格が得られるように、申請書類には常勤で居るように証明して下さい。」こう持ちかければ、取引が成立したかも知れないと。
そうすれば整形外科専門医の取得に拘っていた私にとって、美容外科常勤デビューも美容外科開業も、もっと何年も早く出来た筈。・・・でも流石にそれは出来なかったです。大した手術件数もないのに整形外科専門医を取得しても虚しいばかりですし、医学部の学生の時から美容外科見学を開始し、研修医の時から美容外科でパートで働きだして、美容に惹かれる気持ちはとても大きかったのですが、やはり物には順番があります。そして多くの人々と同じように順法精神が私にもありました。