下顎削り+頬脂肪吸引
本日ご紹介の患者さんは、下顎骨削り+頬脂肪吸引の人で、画像は術後9カ月後のものです(画像クリックで拡大します)。
輪郭で骨を弄る際に「顎削り」「エラ削り」「頬骨削り」などと、よく言いますが、こと顎とエラに関しては、その中間部分も削る方が良いです(ですからモニターの人では「下顎骨削り」とご紹介させて頂きます。
顧みれば他院修正例で顎だけ又はエラだけ削って、その中間部分を全く弄っていなくて形状的に「ぶ格好になりました。」とご相談に来られた人は数多くいます。
そういう患者さんからは前医が「顎とエラの中間部分は骨の中は神経の通り道で、前の方にはオトガイ神経孔として神経の出口もあり、神経損傷のリスクも考えれば弄れない聖域」と言った等と聞かされます。
神経のリスクに関して、指摘の通りですが、やはり術後の形状を考えれば、弄らない訳に行かず、私の場合、患者さんとの話し合いで、「その聖域まで削れば術後に一過性の麻痺は必発で、半年くらいかけて徐々に回復しますが、細かいことまで言えば2年くらい掛かるし、2年掛かっても僅かに麻痺が残ることもあります。どうしますか?」と私が尋ねれば、ほぼ全員の患者さんが「削って下さい。」と言われます。これは私も同じ思考です。
この神経は知覚神経なのである程度の鈍麻があっても表情筋の動きに問題はなく日常生活であまり困りません。
そのため若くて元気の良い女の子の中には「いっそ神経を無視して出来るだけ骨を削って下さい。」とまで言う人も実際に何人かいました。
確かにネット検索で海外の人でカマキリみたいな輪郭になっているという術後画像が幾つか見られますから、外国ではそういう手術をされる医師もいるかもしれません。
しかし日本では顔面骨削りに熱心な先生方でも、「分かりました。神経に近いところまで削って見ますが、意図して神経を切断するような削り方はしません。」との話し合いになるまでが普通と思います。