39歳で医学部合格、53歳で医師国試受験の3児の母の執念

2年近く前に見たニュースの続きがありました。この記事では美談風に書いていますが
実のところ、39歳で医学部入学し、11年間かけて卒業。医師国家試験に受からずに現在3浪中で53歳。今度、4回目の医師国家試験受験のようです。
このニュースのネット閲覧者には賛美の書き込みが半分くらいありますが、もう半分は批判で、医療関係者なら実情を知るだけに多くが批判の方に回ると思います。

前のブログにも私は書きましたが、「医師免許取得、初期研修2年に加え、専門領域も最短でも5年くらいやらないと患者さんに迷惑が掛かります」ものですから今春、仮に国家試験に受かったとしても使い物になれるのは7年後、と言いたいところです。が、たぶん医学部入学から14年経っても医師免許を取得できていない人ですから、研修もスローペースで結局は、臨床医療で活躍できないのではないか?と思います。

さて、医学部は卒業しても医師国家試験に合格しないと殆ど意味がありません。医師国家試験の合格率は90%くらいで、歯科医師国家試験は65%、薬剤師国家試験は70%くらいなので、何も知らない評論家が「医師国家試験は易しい。」とか、医学部に入れば9割は医者になれる。」とか東京医大事件の頃に書いていたものですが、実は留年は珍しくないですし、退学者もチラホラいます。また、聞くところでは歯学部・薬学部では私立において半端ない数の留年、退学者を出している事態に陥ってるそうです。

また医師国家試験の合格率は90%くらいとは多くの新卒が作っているようなもので、既卒では合格率がガクンと落ちます。しかし浪人1年目の人はまだ油断したとかで次年度はそこそこ通ってるのかと思います。ですが2浪、3浪は厳しいのではないでしょうか?