下瞼睫毛生え際切開による中顔面リフト
中顔面(目の下~頬骨前~ホウレイ線上部)のフェイスリフトは昔から難しいと言われていました。それは斜め上方に引き上げるためにコメカミ付近で切開・剥離して引き上げる手術単独でシッカリ引っ張ると目尻がひき上がってキツネ目となってしまいますし、日本人の顔は欧米人(白人)と違って、コメカミ付近で引っ張ったところで、頬骨前やホウレイ線上へは引き上げる力が回り込む際に減衰してしまい効果が不十分となります。それでコメカミ付近からのフェイスリフトだけでなく、ケーブルスーチヤーを組み合わせて中顔面のリフトを行うことが20年ほど前から提唱されています。
すると目尻付近には老いを感じなくて目の下~ホウレイ線の間の中顔面のみを改善させたい人の場合、切開をコメカミ部でなく、下瞼睫毛生え際部で行っても良いのではないかという発想は出て来るもので、今から十数年前にその学会発表がでています。私も私も同時期にその学会発表をしています(画像はクリックで拡大)。
これは通常の下瞼切開弛み取りの切開と同じく「睫毛生え際ギリギリ~目尻の笑い皺までの皮膚切開」でアプローチして皮膚と筋肉の2層で剥離は同じですが、剥離範囲を広めにするのと、ホウレイ線上部の皮下にあるMaler Fat(マーラーファット)をケーブルスーチヤーで引き上げるものです。腫れは程々で傷は後々消えたように綺麗に治るので、私は大変良い方法だと思っていますので、この手技に精進しています。