大学院:課程博士≒研究博士 / 非大学院:論文博士≒論功博士=マイスター
私が若い頃、医学博士への認識で年配の先生に戒められたことがあります。
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木村:大学院に行かないのに医学博士を取得するのは何か小ズルイ気がします。
老先生:そうではない。大学院に行かないのに、それに匹敵する功績を収めたからこそ、教授が医学博士を与えておるのだ。
木村:うっ!?
老先生:俺たちが医局に居た頃は、整形外科認定医制度なんてなかったから、医局で長年頑張ってきた証が医学博士だったんだ。
木村:ですが、論文博士で提出する論文の半数以上は、お粗末なのものとか・・・。
老先生:馬鹿!その論文が掲載される学内の■■■医学会雑誌を誰が読むんだ、誰も読まないんだからお粗末でも同じじゃないか。
木村:でも代筆で済ますのは、流石にやり過ぎですよね?
老先生:違う!書く時間が無いんだ。本当は5人は出向させたい関連病院に、医局員が足りないからと3人で回させたりして“ジッツ”として死守させているんだ。そこの医長を勤めあげて、もう親父の医院を継ぐので退局しますとなった時、教授から「関連病院が他大学から取られない様に、よく頑張ってくれた。」と医学博士の授与をされるのだ。代筆だって教授公認だから何が悪い。
木村:ははっ、恐れ入ります。
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・・・大学院を修了した者に授与される課程博士と、在学無しで学位審査に合格したら授与される論文博士がありますが、私的には前者の多くを研究博士、後者の多くを論功博士と呼びたいです。
そして卒後10年目位の医師の臨床医としての腕は、課程博士<論文博士のはずです。
私は医学部3年生から今に至るまで勉強と仕事に人一倍努力して来ましたし、結果も出して来ましたから、平成14年に米国大の話を聞かされた際は、初めは懐疑的でしたが、不正な事は無いようなので、上述の論功博士の授与も良いかと思ったのです。しかし学位申請の一番の理由は、纏まった損金があっさり作れる事でした。
平成16年の税務調査では徹底的に隅から隅まで調査されましたが、この学位取得の損金には一切お尋ねがなかったです。
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コピペ論文や代筆論文でも教授から学位を授かれるのは、医局への貢献や臨床医としての評価が高いからですが、別の呼び名に換えるべきと思います。研究してなくても博士の授与だから混乱や非難の元となるからです。
ここは中欧風に「マイスター(熟練手工業親方)」の称号がピタリと来ると思います。整形・形成・美容外科では特にです。なお中欧圏ではマイスターの社会的な評価は高く、博士や大学教授に匹敵します。
私が米国大から授与された学位はマイスターだと思っています。
(ただ当時はディプロマミルという言葉の流布もなく、国家資格と同じで正規ものなら大学は何処でも良いだろうとの思考で申請しましたが、時間があればもっと調べるべきだったと思います。)