当院に連絡してきた医師たち ③同時並行な異端の若人
ひと昔前のことなので、今回HDからインポートして閲覧していますが、某年5月、若い医師から私に連絡がありました。
「いきなりこのようなMailを送る非礼をお許しください。」「先生の手術を是非見学させて頂きたく、また師事させて頂きたく願うようになった者です。」(原文のまま)とありました。
しかしどういう人物か分かりませんので、経歴と美容外科を勉強したい理由等を教えてくれるよう尋ねました。
すると、私に返信して来られた、1年余前~のご経歴は下記でした。
(■で伏せ字、および暈し名称に置き換え)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
20■■ 4月 ■■大学法科大学院入学 , 某民間病院 非常勤医師(整形外科)
20■■ 8月 某大手美容外科クリニック入職(大学院夏期休暇中)
. 10月 大学院休学
20■■ 12月 某大手美容外科クリニック退職
20■■ 12月 ■■■■医科大学麻酔科 助手
20■■ 3月 同上退職
20■■ 4月 ■■大学法科大学院復学
現在 上記大学院生、 ■■■■医科大学麻酔科研究生、 某民間病院 非常勤
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1年余の中での目まぐるしく変わる経歴に驚きました。そしてこの先生は、当院に来るのと並行して法科大学院に通い、麻酔科標榜医も整形外科専門医も取りたいとあったのです。
しかし麻酔科入局が12月の途中からようですが3月で退職、その後に研究生で繋げるだけでは在籍年数は稼げても臨床の腕はそれほど磨けないものです。
整形外科の某民間病院は何故そこに非常勤勤務するのか不思議なくらい、遠く山梨県に存在する70床余りの中小病院でした。
そしてそれ以上に、日本で医師としてのキャリア形成期に同時並行で法科大学院を主体にして通う姿勢が私にはとても理解出来ないものでした。
この先生を当院で美容外科医として受け入れるには・・・、これは何としても受け入れ難く、折角、「師事させて頂きたく願うようになった」との事でしたが、私は、お断りさせて頂きました。
ただ私とは相容れないとしても、この若い先生の生き方を否定する気はありませんでした。
私自身は医局制度は封建的で問題が多いと思っています。ですから、この先生が自分の意志で独自の生き方をしているのも悪くは無いかと思ったものです。
ところが・・・、衝撃的だったのは、この先生が私にメールをくれて間もなく、美容外科クリニックをオープンし、他に医師はいない中で度々深夜まで1人で手術している。・・・そう患者さんから聞き、それが事実だったことです。
私にメールをくれてから数年後なら分かります。しかしその年の近々であり、期間的に私にメールする時には開業の着工に入っていたはずです。しかし私に宛てた計3通のメールのうち2通目は長い文章でしたが、美容外科にはこれから取り組みたい感じを受ける文章で、逆に美容外科の開業を思わせる表現は全く無かったものでした。