聖闘士星矢の車田正美 ③
車田さんの自伝的連載漫画の2話目を昨日読みました。またも絵・ストーリーとも手抜きです(画像は1話目表紙)。しかしもう還暦過ぎた巨匠ですから許されるのでしょう。ここでは本宮ひろ志の漫画と出会い、漫画家になるのを考えるけど自分には無理そう。というストーリーです。
私は子供の頃は漫画とは手塚漫画であり、手塚系の漫画は読めても、エロ・グロ・ナンセンスは駄目だったので、本宮さんの漫画というと喧嘩漫画で肌に合わずと読みもしませんでした。ところが私が高校を卒業した昭和54年の秋ごろに本宮さんが「万年雪のみえる家」を連載し、ふと読んでみますと、真面目で哲学的で凄く良いと感嘆しました。
それで翌年、本宮さんの出世作「男一匹ガキ大将(昭和43~48年連載)」を漫画専門書店で全巻通して読みましたら、ヘタな絵と強引なストーリーでしたが面白く、手塚系とは全く異質な漫画の存在を意識するようになりました。ですが本宮さんの次作「大ぼら一代」は絵は上手くなってストーリーの設定も良さそうで、早々に戦車を出してみたりと話を盛り上げていたのですが、どうも「男一匹ガキ大将」の焼き直しにしか見えませんでした。単行本も確か11巻で終っていますのが、それを物語っています。
本宮さんは少年ジャンプの看板を背負う程になった頃、集英社の謝恩パーティーの壇上で「バカヤロー!」と叫んだと書いてました。昭和55年の誌上の記述なので私の記憶が曖昧ですが、中卒のニートがリンゴ箱の上で漫画を描き始め、苦節数年にして登り詰めた。その感極まった言葉だったように思います。
こういうのをカッコ良いと、私はその頃思っていましたから、自分も漫画家になろうと描いて投稿していました。