硬膜外麻酔は分節麻酔
分節麻酔とは神経の支配領域だけ麻酔するというものです。豊胸においては胸やワキの痛覚がなくなり、首から上や腹から下に麻酔が掛ってないのです。ですから全身麻酔より体の負担が少ないのですが、写真を見て分りますように、枕を高くしていますのは、麻酔レベルが確定するまで、麻酔液が首に上って来ないようにしているのです。場合によっては手術台を頭部高位または下位に動かし、麻酔レベルの調整をすることがあります。
麻酔液の量を多く入れれば分節麻酔の領域は広がりますが、身長150cmの人と180cmの人では脊椎の長さが違いますので、一般に脊椎が長いなら、麻酔液をその分、多く入れます。ただそうそう簡単でないのは、硬膜外腔が狭い場合は少量でも上下に広がり易いので、少なめに入れます。
上記のような判断は硬膜外麻酔を掛ける当初に必ず「テスト液」として少量の麻酔液を入れて、それでどの部位に麻酔が掛ってくるか診て、体位や「本ドーズ」としての注入麻酔量を決めるのです。