硬膜外麻酔:硬膜外ブロック
硬膜外麻酔とは脊髄を囲む硬膜の外に狭い空間があり、そこまで針を刺して麻酔液を直接またはカテーテルを通じて脊髄から出ている神経根に麻酔薬を浸潤させて、効かせたいところだけに麻酔を効かせる麻酔方法です(分節麻酔)。手術の際に全身麻酔と併用もしくは単独で用いますが、麻酔科のペインクリニック外来でもよく用いられます。久留米大病院・大牟田市立病院では星状神経節ブロックが一番多かったのですが、次が椎間板ヘルニアなどに対して硬膜外麻酔が硬膜外ブロックとして多く使われていました。
私が整形外科に戻った平成3年は美容外科でも豊胸や脂肪吸引で硬膜外麻酔が急速に普及しだしていましたが、整形外科は外来を診ていますと幾らでも腰痛の人が来ましたから、ヘルニアなど神経性の腰痛はもちろん「ぎっくり腰(急性腰痛症)」にも硬膜外ブロックを多用していました。ぎっくり腰の人など痛すぎて動けず救急車でやって来て、ERのナースが「病棟が満室。困ったわ。」と言っても、そこで硬膜外ブロックを行い、局麻剤にステロイドまで混ぜていると、ほぼ痛みが取れて患者さんは独歩で帰宅、その後激痛に戻る程になりませんでしたから、「ありがたい、ありがたい。」と刺し巻くっていました(続く)。