本来あって欲しかった歴史こそ”正しい歴史”?

8月29~30日のニュースです。報道が誇張されている面もあるかも知れませんが、昨年11月からの報道を顧みれば、総括されるような歴史観です。

「こういう人が国のリーダーとは!? だから駄目なんだ。」と切って捨てて嗤うのはチト早計で、こういう自分本位なご都合主義で客観的には嘘を吐いている人たちも、それなりのパワーを持って進んで行きます。
それは北の方がより露骨で10年余り前は日本国内の報道では、「ああいう瀬戸際外交が世の中に通用しないのを教えてやるべきだ。」と盛んに言っていましたが、私は北の立場で考えれば最も理に叶っていると自分のYahooのブログに書きました(クリックで画像拡大)。
そして結局は今は米朝関係は改善し、北の思惑は概ね達成されています。

さて、戦前、欧州大戦で敗れたドイツでは「匕首伝説」と言って「戦場では勝っていたのだが、国内で背後から共産主義者とユダヤ人に刺されて敗れた。」との嘘が実しやかに広まり、国粋主義政党の躍進を招き、ナチの政権獲得の遠因となっています。

「自分たちに都合悪い事には嘘の歴史を啓蒙」するのも、力の結集となり、周囲には脅威なのですが、対抗措置にもひるむことなく強硬姿勢を貫けば、次第に孤立して行き、文氏の発言のような、約束とか契約の概念さえ希薄だと、このまま進めば結局は破滅するものと思います。
(今年8月に極東動乱の時代に入りました。「外交とは可能性の芸術」ですから、政府は、状況が激しくうねる中で、一瞬のチャンスを捉え、可能性を追求して欲しくあります。)

追記:令和元年10月1日 ボルトン氏が改めて北が核放棄の意思がないと主張していますが、これは当然です。金正日の時からの国是であり最大の外交カードですから。

日本が現在、韓国への厳しい対応をとるのは韓国経済の破綻を招き、北主導の統一朝鮮が出来るとの論者との報道がありますが、10年前は、「北は核開発なんかしていると外交的な孤立を招き、近いうちに国が倒壊して韓国に吸収される」と、よく報道されていたものです。しかしそうはならずに現在は北主導で統一の方向で動いて進んでいるのを観れば、やはり北の「先軍政治」は正しかったのだと考えます。

韓国に厳しい態度を取るのを日本の世論では支持している人が多いのですが、それで赤化統一朝鮮が出現し、中国に組して日本と対峙する未来が来るでしょうから、長期的には日本の国益にマイナスと観る向きがあります。それは正論でもあり、韓国宥和政策を主張する人の論拠でもあります。
しかし歴史的に朝鮮は中国の属国を長年続けて来て、それは地政学的に避けられないものがありますから、遅かれ早かれ、又そうなるなら、今回の徴用工の判決を契機に日本政府が選択した外交は支持して良いのだと私は思います。