形成外科学会 眼瞼下垂の手術には論争がある(ミュラー筋はどう扱うか等)
殆どの美容外科医は瞼の手術の中では眼瞼下垂を一番難しいと考えているようです。それは瞼を開ける筋肉に麻酔が浸潤して術中に確認し辛いというのは当然ですが、まだ術式そのものに論争があり、これが正しいやり方だとの決まりがないからです。
昨日から、形成外科学会(福岡)に参加しています。「美容」と題した演題があるのは明日だけですが、昨日と今日は、眼瞼下垂のシンポジウムやパネルディスカッション(合わせて3時間)があったので昨日から参加した次第です。
さて上瞼を開くのに挙筋とミュラー筋があるのですが、近年は形成外科学会や大森系美容外科学会ではミューラー筋は弄らないという医師が多くなっています。ミュラー筋は機械受容器なので縫い縮めると脳の青班核が強く刺激され、結果、眼瞼痙攣を来すというのです。しかし眼科医の方ではミュラー筋を縫い縮める眼瞼下垂の手術が割と行われており、壇上に上がっている先生曰くは、眼科医がミュラー筋を縫い縮めると眼瞼痙攣が治るというので、観て来たら本当にそうなっている(どういうことだ?)という発言がありました。
私は瞼の裏から挙筋・ミュラー筋を縫い縮める眼瞼下垂の手術も行うのですが、軽症例の成績は良いので、「ミュラー筋を縫い縮めては駄目、一瞬でも糸針を掛けるのもダメージを与えるから駄目。」という考え方は本当にどうなんだろうか?と前々から思っています。ただ昨日・今日、話を聞いて、やはり裏からのアプローチは続けようと思います。
さて開催地の福岡ですが、私の母方の家系は安土桃山時代から代々福岡県人で、私自身も福岡県に計7年いたので、福岡は郷里の一つだとの想いがあります(写真の天神の大通りとか懐かしいです)。それで昨日の夜は昔勤務した久留米大学病院や出向病院(高木病院・大牟田市立病院)をレンタカーを借りて回って見て来ました。