美容外科患者のブチキレ(後半)
外人顔に成りたい患者さんが術後2年半以上経って、鼻が曲がってきたとのことで来院されました。皮膚の緊張に耐え切れず鼻根部~鼻尖部の距離を短くする形でプロテーが傾いていました。鼻先は流石に軟骨と軟部組織を付けているので破れることはないようですが、皮膚にテカリが出るほどになっていました。
そのため耳介軟骨を用いて鼻翼軟骨内側脚の間~鼻中隔の間にStrutを置き強度を増して、且つ鼻先には再度軟部組織を移植の話をし、30万円+消費税の料金と言いました。初回のプロテ入替+耳介軟骨のハイブリッドプロテ手術で60万円+消費税を支払われておりますが、術後しばらくは真っすぐだった後で2年半以上過ぎて曲がってきた事に再手術を行うとなれば、期間や手技のレベルも合わせ30万円+消費税は妥当なご請求と思いました。写真の外人鼻を成功させるとは難しいものです。この人はこの日はカウンセリングだけで帰られました。
ところが術後3年以上経って大層険悪なご様子で当院に現れ、他院で再手術(プロテーゼを短くし鼻先に軟部移植)した際、担当医がヤスミクリニックは軟骨移植はしてなかったようだ。と説明したとのことで相当ブチキレていました。私は『何言ってるんですか?』と唖然とし、直ぐカルテの写真を見せ、カウンセリングの時、説明したまんまのハイブリッドプロテーゼが写っているじゃないですか(左写真)。と話しました。
すると今度は患者さんの方が呆気に取られた様子でした。ハイブリッドプロテーゼは3年くらい経てば移植組織は鼻先にガッチリ癒合し、取り出そうとしても、プロテーゼと軟骨を縫合してある糸を丁寧に切ってプロテーゼだけ取ることになるか、プロテーゼを破壊する形でプロテーゼだけ取りだす事になります。いずれにせよ通常の鼻孔内切開で耳介軟骨を見つけて摘出は行い難いのが普通です。それを説明しました。この人は最初の凄い剣幕とは打って代わって絶句して帰宅されました。