「医療安全の動向」のシンポジウム
本日、厚生労働省医政局の大坪室長の表題の講演があり参加しました。
この講演の冒頭のように、1999年から医療事故発生報告の急増がありますが、その嚆矢となったのが横浜市大患者取り違い事件です。
当時、私も産経新聞一面トップで読みましたが、そこには病院・医療者に対する手厳しい批判がありました。事件は早朝に病棟が気忙しい中で人手がなく、1人の看護助手が2人のストレッチャーを押して中央手術室に患者さんを運ばなければならない様な無理な状況だったのに、産経はそれを怠慢と指摘しており、余りに現場に理解がないと思いました。他のメディアも同様に無理解の論調が多く、私は医療現場の過重労働の実情や医療水準での限界を伝えたいし、安全対策へのディスカッションもしたいと思いました。
当時はインターネットが流行り出した頃で、メーリングリストへの参加・討論が盛んになっていました。それで私は「医療と人権 mhr(藤田康幸弁護士主催)」に参加し、まずは印刷した画像の様に「ご挨拶と横浜市大の事件」と題して投稿し、その後も医療者としての主張を繰り返しましたが、このメーリングリストは患者側弁護士、医療被害者、その賛同者(栗岡幹英氏など)、医師は居ても藤田弁護士の提灯持ちみたいな人ばかりで私は主張の度に十字砲火を浴びせられたものです。
日本医大形成外科の脳にワイヤーを刺したと誤解された事件では彼らの多くが郡家医師擁護に回り、私が当院にバイトに来ていた日本医大中央手術室に勤務していた看護師から聞いた真事実から日本医大擁護の主張をすれば、メディオの伊藤隼也氏から「(あなたは)法的訴追の対象になるでしょう。」と恫喝されもしました。
大坪室長の講演の末尾で「医療の安全対策は、医療者・患者双方のご理解とご協力が必要です。」と締められましたが、『締める』と言う字は『諦める』という字に似ているもので、どうも対立を煽る反対勢力が居て締めきれないことに『諦念』を私は持つ次第です。