IC(インフォームドコンセント)に基づけば何をやっても良いのか?
先日書きました神経麻痺や機能障害を併発してもIC(インフォームドコンセント≒十分な説明と同意)に基づいていたなら、許されることなのかどうかは、私の生来の心情としては「否」と答えたくあります。また、その方が医療人としては真っ当な立場です。しかし本人が強く希望し、将来にわたり恐らく気持が変わらないとすれば、どうなのか?と問われれば、皆、悩むところかと思います。
例として、エホバの証人の信者から命に絡んだ手術の前に、宗教的戒律から「死んでも良いので決して輸血はしないで」と言われていても、手術中に死の危機に直面した医師が輸血を敢行しようかと悩むことが挙げられます。このエホバの証人の信者に輸血した裁判が実際に有り、医師が命を救ったにも関わらず敗訴しています。裁判所は患者の意思、患者の権利を尊重した判決を下したのです。
先日のニュースを見れば、7月24日に「ニューヨーク州で、同性婚を認める法律が施行され、同性カップルが続々と挙式した。」とありましたが、生物学的に見れば「狂った法律」が施行されたと言えます。しかし米国ではこれで同性婚を認めた州が6州になったわけで、たぶん長い論争の末、民主党優位のNY州だからこその結論かと思います。これは個人個人の意思は全体の秩序を乱さない範囲内で尊重されるというものでしょう。ただ生来の私はこの言葉をサラリと言える程に無く、むしろ、米国なら共和党支持で、伝統的な家族の在り方を否定するのは元々は躊躇する方です。(続く)