頬骨・頬骨弓のアーチリダクション手術
本日ご紹介の患者さんは「頬骨が出っ張っているので削りたい。」とのご希望でモニターになって頂いた方です。
正面で見て出っ張って見える部分は「橋渡し」のような形状で顔面骨の本体から浮いています。「頬骨を小さくしたい」のページを参照して下さい。
ですから、橋渡しの両端を骨切りして正中に移動させるのが手術のメインの操作でこれを「アーチリダクション」と表現することが多いです。
骨切りして正中に移動させれば当然両端に段差が出来るので、これを皮膚表面から触れて段差がないくらいまで削ります。その際に前方の頬骨部分は段差をなくすとは別に、顔を斜めからみて頬骨が出っ張って見えないように程々削ります。
また骨切りの後方部分は「もみ上げ」の所になりますが、ここも可能な限り丁寧に削ります。
今まで他院様で「アーチリダクション」の手術を行っているのに、この後方の段差の改善を殆ど行っていない人を何人も見ています。
これは場所的に削り難いとか、顎関節が近いから平ノミでガンガン叩いて削るのは危ない、「もみ上げ」の毛があるから、削らなくてもパッと見た時に、削っていなくても誤魔化しが効く部分である。など色々理由はあるでしょうが、橋渡しの前方部分は触診して問題なく段差なく削ってあるので、後方は『まるで駄目だなあ。』と思ったことは多いです。
ここは超音波骨切り器で少しづつ削るか、電動骨削り器の先端が丸いもの(俗称「ネギ坊主」と称します)の小さめのもので時間を掛けて削って行けば、触れてもまあまあ段差が分かり難い(逆に言えば「少しだけ分かる」)ところまで削れます。
さて、この手術問題点は、①術後に腫れが凄く目立つということです。顎骨削りと違って顔の中心部ですからマスクで隠すとか出来ませんから、私は「社会復帰に3週間」と言います。②若い人は組織に張りが戻って来るから問題化し難いのですが、骨が小さくなった分、肌のハリが無くなって老けて見える。というものです。ですから目安として30~35歳過ぎた人が頬骨・頬骨弓の手術を行うなら、後日フェイスリフトの手術も行うかも?と思っておいた方がいいです。
私は勤務医の時もこの手術も相当を行って来たので、多くの患者さんから喜んでもらえる良い手術と思っています。