鼻の整形：隆鼻ゴアテックス

(画像はクリックで拡大)　先日、海外で入れたプロテーゼの入れ替え希望の患者さんが来られました。入れ替えたい理由は、曲がっている、鼻根部が低すぎる、グラグラするというものでした。
術前の触診では何かシリコンプロテーゼとは違う感じがしました。聞けば患者さんはプロテーゼが何で出来ているか医師から聞かされてないと言われました。
さて抜去したプロテーゼは左記の画像の通りです。ゴアテックスです。
術中は先端部が見え、ゴアテックスと確認した後、そろりそろりと剥離しましたが、シリコンと異なり癒着がありスルッと抜けません。そして鼻根部の上端まで剥離出来たとみて牽引しましたら、まだ癒着が残っていたようで、一番薄い鷲鼻に相対する部分でちぎれてしまいました。そこから鉗子を使ってやっと全摘出来たものです。
ゴアテックスは癒着するため万一気に入らない場合の抜去は困難です。またシリコンより柔軟性があり雑にガタガタした形状に作ってもも入れてみれば滑らかな感じは出せる傾向ですが、柔軟性があるが故に正面から見て材料自体が「くの字」に曲がることがあります。私はシリコンでも削り込みに細心の注意をして行えば滑らかな形状を作れ、「くの字」に曲がることもないので、ゴアテックスは使いません。
なお西洋人風にする時、眉間ゴアテックスという選択もあるでしょうが、私はここには架橋の強いヒアルロン酸を注入して形状を作ります。このヒアルロン酸はいずれ被膜で包まれ分解吸収が止まるので形状がある程度残ります。追加注入を続け、いずれは永続的な形状の保持が望めます。尚このヒアルロン酸で作った眉間は何年経ってもヒアルロン酸分解注射でだいたい戻せます。一時の気の迷いでハーフか白人に憧れ眉間の広がりを作っても後で後悔した時、気軽に戻せるのは嬉しいところです。