大学病院の性別適合手術(性転換)の保険適応に反対する
昨日はパス度の高いMTF(男⇒女)の人に鎖骨骨切りして肩幅を華奢にする手術を行いました。もう20年以上行っているので綺麗に仕上げています。傷も僅か9㎜です。
私は以前は性転換手術(性別適合手術)も和田耕司先生と同じ姿勢で行っていました。しかし、いろいろ想うところあって手術を行うのは止めましたが蘊蓄はあります。それで3日前のニュース記事「富山大付属病院の性別不合治療、一部手術を保険適応」を読んでは、Yahooのコメント欄に下記の投稿をしました。
~~~(投稿文)~~~
私は医師だが、GID(性同一性障害)の人のSRS(性別適合手術)に保険適応(我々の社会保険料が使われる)ことに反対する。財源はもっと優先度の高い方に使うべき。
また、GIDの人のSRSが保険適応になったのは日本形成外科学会が産婦人科、泌尿器科、精神科の学会も巻き込んで中医協を「性同一性障害とは精神病。精神病は病気だから健康保険適応すべき。」と説得して成したもの。
だが性別に違和感、反対の性に成りたいと真剣に考える人に「あなたは精神病、頭の病気です。」と面と向かって言えば当人は怒りますし、今の風潮からして許されないことです。私もGIDの人(オペ済を含め)に多数会っていますが、心の性が生まれ持った性と違うだけで精神病とは思えません。
ですから中医協への説得事由が間違っているから保険適応は止めるべきです。
また「ホルモン治療を行っていない」が保険適用の条件ですが笑止です。MTFに関しホルモンが先です。
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私以外の投稿でも保険適応にハッキリ反対を述べている人は多いです。賛成は1人もありません。
さて、日本で性別適合手術が保険適応になったのは2017年です。私はびっくりして何故なのかを厚生労働省に電話して聞いています。クリックして読んで下さればお分かりのように「性同一性障害は精神病なのだから保険適応」との回答でした。
ところが投稿の後で、ニュース記事に「日本GI(性別不合)学会」とあったので『GID=Gender Identity disorders』でなく『GIとは?』で調べれば、近年は性別不合(Gender Incongruence)と変わっているんですね。
これは椿彩菜(中村有里)さんの嘗ての著作に「本当は、性同一性障害、という言葉は嫌い。なんだか障害というと可哀想なイメージがあるでしょう?~病気っぽくて嫌。自分が病気だとか障害がある、という感覚はない。」と書いていますように私もGID⇒GIで適切と思いますが、すると「障害」ではないんだから、保険適応する必要は無いとなります。Incongruence=違和感で保険適応なら顔や体の美容整形でも保険適応にしないと整合性がないというか衡平を欠くといいますか、要は間違っていると思います。
【追記】表題で大学病院の…と書きましたが、ニュース題目に沿ったまでで、全ての保険医療機関が私の意です。