眼窩下神経ブロックで静脈麻酔は不要

眼窩下神経ブロック モニターさんの鼻の手術の直前の画像ですが、まずは鼻に麻酔を打たずに、頬の内側に打っています。これはこの部位に眼窩下神経という中顔面の知覚神経の枝が顔面骨から出ていますので、ここに麻酔液を注射すれば、鼻が麻痺してくるのです。すると後で、鼻に局所麻酔を追加で打っても、ほとんど痛くありません。この麻酔方法は伝達麻酔と言い、この部に限っては、眼窩下神経ブロックという名称がよく用いられます。
  美容外科の医師の中には、この麻酔方法を知らないのか、知っていても手間が増えるのが嫌なのか、行わない医師は珍しくありません。だから当院に修正手術のご相談に来れれる患者さんの中には「鼻の麻酔が超激痛だった。静脈麻酔もして~!」と言われる人がいます。ですが実際、眼窩下神経ブロックを行えば静脈麻酔は不要と思えるほど鼻のへの麻酔が痛くありません。
 従って私はわざわざ静脈麻酔を併用するほどでないと思います。静脈麻酔は強く効かせると呼吸が一時止まりますので安全性の点でも、当院で行っている短時間型睡眠導入剤の内服+眼窩下神経ブロック+鼻への局所麻酔が最善かなと考えます。