クールスカルプティング(脂肪減量)⇔凍結脂肪注入(脂肪増量)

今晩は一昨日まであった美容外科学会の復習をしています。

個人的に気になったのは、腹などのぜい肉を冷却器具で挟んで脂肪部分を冷凍させてアポトーシス(細胞死)に至らしめ、マクロファージ(貪食細胞)の働きで脂肪部分を痩せさせるという「クールスカルプティング」です。
講演での施術前後の画像は見ては、脂肪吸引と比べれば小さな変化に過ぎませんが、一応は分かるほどの変化があります。

講演後にフロアーからの質問を受け付けたので、疑問に思ったことを演者に聞いてみました。

木村:現在、超低温保管の冷凍脂肪を解凍させては注入する治療があります。この場合、不妊治療で扱う凍結卵子のように凍結脂肪は生きているとして、注入すれば確かに定着しますのを私も日常診療で確認していますが、クールスカルプティングでは、この凍結が細胞死を起こすとのことで、相反しますが?

演者:う~ん、急速凍結と緩徐に凍結での違いかも知れません。
木村:温度はマイナス何度で凍結させているのでしょうか?
演者:それがメーカーが公表してくれないのです。

時間切れで討論には至りませんでしたが、クールスカルプティングでは皮膚を凍傷させない程度の低温なので座長も言われていましたが「-4℃くらい」かもです。だからせいぜいアポトーシスであってネクロ―シス(壊死)ではないのです。
以前から皮下にカニューレを刺して熱源で脂肪を融解・壊死(ネクロ―シス)させる装置は発表され、行われても来まして、これに永続的な施術効果は認められています。
講演を聞きつつ私は、『過去に皮膚の上から振動、加温する機器では残念ながら効果は一時的であった。このクールスカルプティングでは、永続性は、どうなんだろう?』と疑問に思った次第です。