カロリーナ・コストナー(Carolina Kostner)の名前の不思議

カロリーナ・コストナー Carolina Kostner私はトリノ五輪から女子フィギュアスケートを見るようになりました。理由は「美しい」からです。そして世界的な名選手カロリーナ・コストナー(Carolina Kostner)が、イタリア代表と知った時、「えっ?」っと思いました。Kostnerとはドイツ系的で、少なくともイタリア系ではないです。しかし彼女が北イタリアに位置するボルツァーノ自治県出身と分かり納得しました。100年近く前までオーストリア領だったからです。南チロル地方と言った方が分かり易いと思います。北チロル・東チロルは今もオーストリア領なのに南チロルは1919年に敗戦のため割譲されてしまったのです。
それで私は最近までKostnerを悲劇のドイツ人の末裔と思っていました。しかし今回のソチ五輪でKostnerはまた代表で出るのでネット検索をすると彼女の家はドイツ語話者でなくラディン語(ラテン語の派生でイタリア語と兄弟の言葉)話者で、そういう人たちが多い地域の出身だったのです。ただやはり地域全体はドイツ語圏なので影響を受け苗字のCがKに変わった等だろうと推測している方がいました。
さて南チロルに100年以上前も、このラディン語話者、イタリア語話者が少数居たので、欧州大戦後はイタリアへの割譲の大義名分が立ったのです。「未回収のイタリア」と連呼していた位ですから。ヨーロッパの国境が陸続きである地域は難しいですね。辺境地に複数の民族が混在していますから。
サッカードイツ代表のクローゼの父方もそうです。この辺の感覚は島国の日本人にはなかなか理解に至らないと思います。