キャプテン翼の大ヒットに想う

キャプテン翼W杯で盛り上がっているなか、「キャプテン翼」の高橋陽一氏がテレビに出たり、ネットで取り上げられたりしています。
以前もブログで少し書きましたが、昭和55年の秋の少年ジャンプの月例新人賞で高橋氏は、その名も「キャプテン翼」で入選しました。その直後11月頃掲載され、私は自分の漫画が上手く行かなかっただけに同じく20歳であった高橋氏と対比する想いを持って、この入選作を読みました。しかし大空翼が4頭身くらいの丸っきり子供で、ボールとジャレあっていたような記憶しかないです。当時の高橋氏は開花前の段階だったでしょうし、私はその頃サッカーに全く関心が無かったから共感を覚えなかったのもあるのでしょうが。
あの頃、漫画で入選したかった私はジャンプの新人の入選作は載れば研究する気持ちでほぼ読んでいました。しかし私は高橋氏の入選作を読んだ後は20歳で明暗を分けた者として3ヶ月間程、全く漫画の読み描きを止めてしまいました。だから私が熱心に新人の掲載作を読んだ最後の作品が高橋氏の入選作の「キャプテン翼」となり、今も微かに記憶に残っているのです。

さて、ジャンプでは連載の機会を与えられた新人は次々と出ては消え出ては消えと殆どが漫画家として生き永らえません。なぜ人物の描き分けすら上手くない高橋氏が漫画家として大成したかと言うと
①サッカーに熱い思いがあること ②大空翼が大好きであること ③サッカーがメジャーにスポーツになったこと ④サッカーとはバトル(戦闘)であること
・・・①高橋氏はボクシング漫画もテニス漫画も描いていますが、早々に連載を打ち切られています。やはり特にジャンプでは色んな意味で拙劣な新人が成功するには自分自身が熱くなれるものが必要です。
②高橋氏の描いたボクシング漫画では貧弱な体格の主人公がハンデを超えて頑張る設定でしたが、爽やかなキャラの翼君ほどには思い入れ出来なかったと思います。少年誌ではストーリーが無茶苦茶でもキャラが輝いていばヒットする傾向です。なお高橋氏の奥様はテレビ化された大空翼役の声優です。幸せですね。
③そしてキャプ翼のヒットには運が向いて来たというか時流に合ったというか、サッカーが国民の関心の高いスポーツになったからもあるでしょう。キャプ翼がもしバトミントン漫画だったらヒットは難しかったと思います。
④またサッカーとはW杯を見ていているとバトル(戦闘)なんだと思います。少年ジャンプ成功の王道がバトルであるのはバクマンでも何度か描かれている通りです。