ブチキレ患者さんから顧みる
前回のブログから顧みることですが、内科などでも後医が前医をつい悪く表現することがあります。例えば「髄膜炎を単なる風邪症状として見逃したんですかね。」なんて事です。後医はつい口にしただけでも、患者さんは前医の「誤診」と受け取り、医師を敵視する衝動に駆られている弁護士に相談すると裁判が起きたりします。
私は以前、藤田康幸弁護士主催の医療と人権のメーリングリスト(mhr)に参加していましたが、この参加弁護士や提灯持ちの人達の発言に、度々こっちの方がブチキレていました。私があのメーリングリストの中で書いた一例に、「(弁護士の)先生たちは医療行為の結果をRetrospective(今から過去に向かって)に見る。つまり結果から見るから、“こんな事するからこんな結果になったんだ”と責める。」「また結果があるから医師に過失や因果関係もあった筈と推測するのだが、医学知識がないから空想のこじ付けで“風が吹けば桶屋が儲かる”という故事同様の主張をしている。」と書いた事があります。相手もブチ切れる人がいて、結局、Prospective(今から未来に向かって)に予見しつつ医療行為を行う医師と、Retrospectiveに窺い医療行為に糾弾のネタ探しをする弁護士や医療ジャーナリストとの間には永遠に相互理解が得られないものだと達観しました。