バッカルファットは脂肪注入に使える
バッカルファットを切除したあと、捨ててしまうのも惜しいですから、脂肪注入の材料として使う事があります。
美容外科学会で発表としてあるのは神奈川クリニックの10年くらい前のものだけですが、現在は全国各地で行われているようです。神奈川クリニック発表内容は要は「有用だった。」ということでしたが、通常の皮下脂肪を材料とした脂肪注入との定着率の差や、口の中から取る以上、感染のリスクや対策という話は聞けませんでした。しかしこれは症例数をかなり積み上げないと皆の前では言い難いものと思います。
私個人の感想ですが、通常の皮下脂肪を材料とした脂肪注入との定着率の差はあり少し低くく、それは血流再開というより含有コラーゲンの量が少ない為。感染のリスクは顔面注入に関してはゼロ。感染対策は術前に十分口腔内のうがいをさせたなら、摘出脂肪は繊維を切って注射器に詰め込むだけで抗生剤入り生理食塩水で洗わない方が定着率が良い。その理由は生食と言えど十分洗ってしまうのは脂肪を挫滅させる。また何かの因子(幹細胞とか)が抜けるからと思う。・・・と考えております。
先日のコンデンスリッチファット(CRF)講習会では脂肪を専用器具で細かく砕いて30G針でも注入できますとの話も聞け、フィラーとして積極的に使用する意義への賛同はありますが、余りに細かく裁断することへの脂肪のダメージ等も気になりました。CRF講習で聞いた生着より壊死後の再生が多い話や、バッカルファットの注入も含め、脂肪注入外科は、まだ解明出来てない部分が多いものです。