鼻尖縮小手術の説明(軟部組織切除)

鼻尖縮小において鼻先の開いている軟骨(鼻翼軟骨内側脚)を正中に縫合するのは要ですが、それ以前に可及的(できるだけ)に皮下組織を切除しておかなければなりません。これはちょこっと取り出すというより皮膚の裏を削ぐ位の気持ちで切除して行かなければ、いくら軟骨縫合が適切に出来ていても効果が出ません。それは夏ミカンの皮を剥いて中身を横においても夏ミカンの形は変わらないのと同様に、鼻の皮膚は厚く硬めなので、気分的には皮膚を裏から少し削いで、夏ミカンの皮を温州ミカンの皮くらいにする程の気持ちでやって初めて効果が出せます。写真の夏ミカンの中は実が出されて空洞です。

鼻尖縮小で軟骨は縫ってもらったのに全然効果が出ていない等というのは、この辺の原因が大きく関係します。鼻尖の皮膚を夏ミカンの皮に例えるとは誠に上手い表現ですが、私の発案でなく、昔ご指導して頂いた徳永先生のお言葉です。
実際の術式としては剥離の際に皮膚のすぐ裏で剥離し下の軟骨側に軟部組織を残すようにしてから、剥離の後で軟部組織がを切除するべきと思います。この時、元々の鼻先がオウム鼻の様な内巻きの場合は、先端が尖ったハサミを皮膚に向けて皮膚裏に横に浅く裂け目を多数作るようにすると、内巻きが改善して行くのですが、飽くまで軽くやるに留めませんと鼻先の血行が心配です。こんな事をオープン法で行えば鼻先の壊死を起こす可能性は割とあると思います。(続く)