鼻尖形成術のキモとは?/ 3D法への見解
本日からの都内開催の日本美容外学会に参加していますが、「鼻尖形成術のキモ:鼻先でこれだけ美しくなれる」を興味深く聴きました。
『鼻尖縮小』でなく『鼻尖形成』として、要は“鼻中隔延長ほどでないにしても鼻先を高くすることで細く見せる工夫”と総括して良いと思いますが、5人の演者が各々の工夫を披露されていました。皆様、美しい症例を提示されたものです。
1人の医師は、結局は「(鼻先を高くするために)鼻翼軟骨を変形させるか、延ばすか、(上に軟骨を)盛るか」の3つのいずれか。と言われましたが、私からすれば、もう1つあります。
それは『太い鼻をボリュームダウンさせて細くする。』というものです。脂肪吸引・脂肪彫刻的発想の『鼻尖縮小』です(脂肪吸引:Liposuction・脂肪彫刻:Liposuclpture)。
若い女性のとって「鼻、大きいね!」と言われて嬉しい人はいません。「貴女、立派な鼻ね!」も微妙というか、やはり嫌味にしか聞こえません。
『形は良いけど自己主張の控えめな鼻』、『ある人が夜に、昼会った綺麗な人を思い出そうすると、大きくて印象的な目は思い出されるけど、鼻は、どんな形だったっけ?』こんな感じが良いのです。これを『忘れな鼻』と言います。
本日の5人の演者の話は各々感心できるところもあって学会参加して良かったと思いますが、耳介軟骨を移植したり、中には「PCLボールを半分にして載せるなら良い。」と割と自信を持って言う医師もいるくらい概して『鼻尖形成』として鼻先を高くするプラス計算の発表でした。対して『鼻尖縮小』として鼻先周辺のボリュームダウンを鼻骨近くまで行うマイナス計算で細く見せる工夫も私は聞きたかったです。
またいつか私もシンポジストの1人として壇上で発言の機会があれば、上記を中心に話をしたいと思います。
今年になって同じようなことをメールに書きましたので、下記に転写します。
~~鼻尖形成3D法(大鼻翼軟骨間に支柱を立てる)への私の見解~~
ストラット(支柱)を立てる方法は鼻先を高くすることで細く見せようとする術式です。
患者さんがそれを望めば行うもので、ストラットを立てる最たる術式が鼻中隔延長術です。
ところが3D法と称している術式は、ストラットを立てるにしても鼻翼軟骨を切って、解剖学的に本来の形状から随分変えてしまいますから、
後年に鼻の形状に変形を来すのか否かの懸念が私にはありますし、
往年の鼻の名医と言われた●●●●クリニックの●●先生も美容外科学会の鼻のセッションで座長をされていた時に、壇上から3D法について私と同じ懸念を表明されていました。
3D法では鼻翼軟骨内側脚の間(正中)に移植軟骨を挟みますが、これは鼻翼軟骨上方の切除軟骨では強度が全くないので、
本気で行っている医師がいるなら耳介軟骨か肋軟骨を使っているはずです。するとこれは鼻中隔延長術の亜系です。
鼻尖縮小は、形は綺麗だけど自己主張の少ない鼻を目指すものです。
すると鼻先を尖らすのが優先ではなく、鼻の皮下組織のボリュームを減らして、その結果として副次的に鼻が細くなるのが良いのです。
3D法とはボリュームを減らす概念があまりないようです。だから鼻尖縮小というより鼻尖形成という表現になってしまっているように思えます。