鼻中隔延長で肋軟骨採取部の傷
この傷は、肋軟骨採取術後、2ヶ月半くらいの写真です。まだ赤いですが、いずれ肌色になり目立たなくはなります。しかし一般に顔の傷と体の傷では縫い方が同じであっても体の方が傷は目立つ傾向なので、この傷が消えたようになるとは、どこの美容外科医でも言わないはずです。
患者さんのカウンセリングでお互いが悩むのはこの点です。しかしプロテーゼのような異物は絶対イヤ!という人や、鼻中隔延長でしっかり鼻先を下げて欲しいから硬い軟骨でやって下さい。という希望が強い場合は、結局肋軟骨を採取することになります。
なお私が肋軟骨の採取のやり方を覚えたのは20年程前、久留米大学在職中です。当時形成外科の田井教授が精力的に肋軟骨採取で小耳症の再建をされていましたから、麻酔科出向で全身麻酔をかけながら、70cmくらいの至近距離で何度も見させてもらいました。その後、上白根病院に行かれた荻野洋一先生の小耳症の再建の手術の助手をやらせてもらって、ここでの事も参考にさせて頂き今に至ります。ただ小耳症の場合は耳のフレームの形を考えながら採取する難しさがありますが、鼻で使う肋軟骨の採取はただ取るだけなので腸骨片の採取より手軽で局所麻酔でも出来るものです。