顎骨削り‐神経麻痺と引き換えでもガッツリ削るのか!女子の執念。
テレビ番組で胃癌の手術において病院側が患者さんに色々説明した上で①開腹手術、②腹腔鏡。を患者さんに選択してもらい、次いで手術後に抗がん剤治療を、①受ける、②受けない。を選択してもらうというのがありました。
『患者の自己決定権』と言うと聞こえは良いですが、いかにもアングロサクソン的な価値観に映ります。
興味深いのは聞いていたゲストの人が「患者は状況を話した上でお医者さんに決めてもらう方が良いんじゃないですか。」等と言われた事です。日本人や中欧の人々は本来この思考です。
さて、顎削りのモニターの人ですが、このように若い人は「ガッツリ削って!」という言葉をよく使われます。私が「骨の中を通る神経があるから削り過ぎると神経損傷があります。」と言うと「そうならないギリギリのところでやって下さい。」等と言われます。私は「ここまでが安全、ここからが危険と明確に分けられる訳でなく、ギリギリと言われても難しいです。」と言うと、「じゃあ神経傷めても良いですからガッツリ削って可愛くして下さい。」と言われる事が度々あります(大きな画像と説明は≫こちら)。
若い女性の綺麗になりたい、可愛くなりたいとの執念には空恐ろしいものがあり、冒頭の医療上のリスクを踏まえての選択などの思考より、『外見が何より最優先だから少々の事には目をつぶる』という気迫に圧倒されることがあります。そういえば、目をつぶるどころか瞼の手術で「目が閉じれない位、皮膚切ったり筋肉縫い縮めたりすれば視力低下しかねませんよ。」と私が言いましたら、「目が大きくなれば視力が低下しても良い。目は物が見えれば良いんです。」と言われた事もあります。