アゴの骨をVライン形成する際の留意点

アゴの骨をV字カット予定 昨日、アゴの骨切りの手術を行いましたが、患者さんのご要望は『アゴの長さはこのままで良いからシャープな感じに、Vライン形成して欲しい。』というものでした。
確かにアゴの正中から外に向かって下に膨らむ形状で今の若い女性の輪郭として好ましくありません。しかし手術として、まさか外側から皮膚を切って骨を露出して骨切りするわけには行きません(傷も当然ですが、顔面神経下顎枝損傷のリスク大です)。
口の中から行うしかないのですが、アゴの骨切りとは短くする分には至極簡単なのですが、側方削りと申しますかアゴからエラに向けた方向へスティック状に骨を切って行くのは結構気を使います。それはオトガイ神経麻痺のリスクを踏まえて、少なくとも一過性の麻痺は覚悟し、場合によっては生涯麻痺を残すかも知れないという不安が術者の頭を過りつつもやらなくていけないのです。
美容外科の医師の中にはアゴは短くはしてもサイド(側方)はリスクが高いので削らないという人がいます。気持ちは分りますが、美容的見地で言えば、女性のアゴが短くなっても底辺が平べったくなってしまえば、やらない方がマシです。
では、やるその時、どこまでどんな風に骨を切っているのか、オトガイ神経の事、またついでに顔面動脈の事で私が気をつけている事を書いてみます(続く)。
なお本日は独ソ戦開始70周年となります。この宿命の戦闘が1ヵ月余前に始まっていたら、欧州も日本もそして世界も今と随分違う状況ではなかったかと、毎年この日に思っています。