顎削り(側方の骨まで削る)のモニター症例
本日ご紹介の患者さんは下顎骨を短く+両サイドの骨まで削るというモニターの人です。
綺麗に仕上がっていると思います。
画像をクリックすれば、拡大して閲覧できますが、よく見れば骨を小さくしたことで顎の裏の部分(二重顎)の軟部組織の余りが分かります。
気にするほどの程度でも無いかもしれませんが、術後半年~1年は様子をみて気になるなら、一般的には二重顎の脂肪吸引で改善します。
この軟部組織の余りですが若ければ若いほど自然に目立たなくなる傾向です。逆に言えば中年以上の人が同じことを行う場合は、骨削り後に脂肪吸引それに加えてフェイスリフトなどの弛んだ軟部組織への手術をしないと見栄えがよくありません。
さて、下顎骨を短くする際、単に下顎骨末端を水平に骨切りだけすれば平べったい顎になってしまい見苦しいので、それで両サイドの骨まで削ります。しかしそこにはオトガイ神経孔と言う骨の穴から知覚神経が出てきているので、この神経を愛語的に扱わないと麻痺が強く生じます。また骨切りの際は、はオトガイ神経孔から出て来る神経が下顎骨内の下歯槽神経管の中を通っているのですが、ここを損傷しない、もしくは損傷が小さい範囲で骨切りしないといけませんが、視野も得難い中で難しい技術と言えます。
上記の神経は下顎骨の両サイドまで削る際は必ずと言って良いほど何がしかの負担が来て一過性の唇~顎にかけての痺れ、知覚鈍磨が生じます。多くは期間が掛かっても大体治るものですが、後年に患者さんに尋ねると「微かに鈍さが残っています。」と言われることもあります。しかし生活に困る様なことではないのが普通です。
また、このような骨を切って骨髄が露出してしまう手術は、術後に骨髄性の出血がありますから、術後は1泊入院(別の言い方なら翌朝まで経過観察)をして安静をとって頂くのと、術後にドレーンを入れて骨髄性の出血が翌朝までに殆どでてしまうようにした方がより良いものです。
術後は包帯ぐるぐる巻きでご帰宅、中途で一時的に外しても術後1週間位は、なるだけ長期間圧迫を続けていた方が良いです。
顔面骨の手術はそれなりに腫れる手術ですから、この件では知人に会って不自然でなくなるのに、目安は2週間くらいかかると考えておいて下さい。