聖闘士星矢の車田正美⑧

今週号では、車田さんは初めての連載の機会を与えられますが、編集長からこう言われています。
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君はこの作品を
ものにするかしないかで
今後の人生が大きく
変わるかもしれんぞ
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実際の車田さんは初の連載では20週位で打ち切り、次の連載「リンかけ」でも初年度は人気投票で下位を彷徨ったはずです。
先日、江川達也さんも、こう書いています。
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「少年ジャンプ」は、一年に4回新連載が3本始まるという方針があった(今は知らない)。それは、一年に4回連載が3本終わることを意味している。
20本の連載中の3本なので、会社で言うと15%の社員のクビが3ヶ月に1回切られ、同じだけの新入社員が会社に入る感じだろうか。
クビを切られる基準は人気投票である。雑誌についている人気投票で毎週順位が1位から20位まで決まる。
10位以内にいれば、ほっと出来るが、15位以下だと、心は千々に乱れる。クビの危険水域だ。
連載が始まった新人が3ヶ月もたないで、連載終了になって、漫画界から消えていったりする。
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漫画家のサバイバルは過酷です。
車田さんはボクシング漫画を描くにあたり「あしたのジョー」は当然参考にしたと思います(打ち降ろしのパンチで全く真似た構図があります)。
しかし丹念に積み上げられた話しも、“梶原一騎&ちばてつや”だから読者を引き込める訳で、「リンかけ」の当初の姉と弟の地道な苦労話は今一つヒットに繋がりません。
剣崎 ギャラクティカ・マグナム!!そこで生き残りを賭けた路線変更(荒唐無稽路線)が大当たりして、この作品をものにし、今後の人生が大きく変わったのでした。
「星矢」はその路線の上にありますが、その大ヒットで昭和63年度の高額所得者「文化人部門1位」が車田さんでした。当時新聞紙面に照れ笑いする車田さんの写真が掲載されていたものです。
子供の頃は、かつ丼も食べられないような貧乏な環境だったのに億万長者(?)になったのです。