聖闘士星矢の車田正美 ⑥

リングにかけろ 今週はお盆のため週刊誌が休みのため、昔買った「リンかけ」の単行本を手に取ってみました。24巻以外は1刷発行、その24巻も1刷・2刷とも1982年11月15日発行とあり人気作品だけに最初から大量印刷したようです。

この左上の14~16巻は車田漫画でも最高の出来と評する人も多く、私も15巻が週刊連載中に魅了されてしまい、漫画家になりたいと強く思う様になったものです。

17巻の巻末で師匠の1人の本宮ひろ志さんが「車田正美は生き残っていける!」と祝辞を書いています。しかし私はこの17巻以降の『ギリシャ十二神』『阿修羅一族』は~16巻までの『世界大会』の人気が高かったから惰性で続けていたようにしか見えませんでした。後年、車田さん自身が、「リンかけ」は『世界大会』で終ろうと思っていたのだが、少年ジャンプ編集部から続きを描くよう要請があり、『○○○七福神』でも何でも出すしかない・・・との話となったと誌上で書いていたのを読みました。

私自身も投稿用の漫画を描きながら、流石に「阿修羅一族」の連載を読むにつれ、『車田さんも遂に陰りが見えた。“リンかけ”もじきに終わる。今後は漫画家として尻すぼみ、元々デッサン力もなく凝った話も作れないから30歳過ぎて廃業かも知れない。』と思ったものでした。

車田さんは次に「風魔の小次郎」の連載を始め、一巻表紙裏に「漫画界には二作目のジンクスがある。“大ヒットをした次の作品はあたらない”ということだ。~その漫画家の力が本物かどうか二作目にかかってるといっても過言でない。「リンかけ」以上の作品を作るぞ!!」と書いているのですが、『風魔の小次郎』は設定からしてサイキックソルジャー(超能力戦士)が出し易かったので「リンかけ」を超えると思いきや超える事が出来ず、尻すぼみの作品となったのでした。