上⇔下の漢字は誤読のリスク

リスクマネイジメント 上下 私は20年近く前、整形外科在籍のまま麻酔科へに出向した際、オーベン(上級医師)から「カテーテルのラベル等には、上と下は漢字で書かない。『上』は上下・裏表を逆さにすれば『下』に見える。だから『ひらがな』で書いて下さい。」と聞いた時、妙に感心しました。写真はその具体例です。ICU(集中治療室)等の患者さんは何本もカテーテルを入れたりしていますので、勘違いで別のカテーテルに薬剤を入れたら大変です。写真のように同じ物を逆さに並べるだけで医療者なら恐怖を感じるものです。
そう言えば、麻酔器は今は酸素と笑気ガスのホースを誤って連結できないようにコネクターの形状が違っています。20年以上前は、これが同じだったために、純酸素を送っているつもりが笑気を送って低酸素脳症の事故が全国的にあったそうです。
研修医でも間違わないシステム作りのようなものを医療の世界でも、リスクマネジメントと言っています。先日の福島県立医大の事故も静脈路と胃管のコネクターの形状を違えていれば起きなかった事故です。もちろん美容外科でも同じことを考えなくてはなりません。