アゴのプロテーゼの手術
昨日、本日とアゴのシリコンプロテーゼ手術を行いました。プロテーゼものは経験を積んだ美容外科医師にとってはプラモデルを作る感じにも似た機械的作業です。その分、不確実性の少ない狙った通りに近いものが出せる手術とも言えます。特に全くの初回手術で日本人の顔として無理のない大きさのプロテーゼですと成績は全く良好な傾向です。
私はこの手術を昭和63年に長谷川先生から習ったのですが、鼻のプロテーゼでは骨膜下に入れるため骨膜剥離子を使うのに対し、アゴのプロテーゼは「骨膜剥離子は使わずメッツェンバウム(独)という鈍曲りのハサミを使って骨膜上に置くんだ。」と聞いて興味深いと思いました。≪余談ですが、長谷川先生は高須クリニックのご出身ですし、その後年に私が指導を受けた徳永先生は高須先生の同級生且つ親友で高須クリニックで多数の手術を行って来られた方なので、前のブログの「私の世代(50代)の美容外科医師なら半分位は高須先生と何らかの繋がりがあるはずです。」に、もちろん私も該当します。≫
しかし、手術というのは習ってきた系列が違うと全く違う場合もあるもので、某大手クリニックの院長はアゴのプロテーゼを骨と医療用アロンアルファでくっ付けると聞いてビックリした事があります。それも一法かも知れません。整形外科の大著「片山整形外科」と「神中整形外科」では書かれている事に相違がありますが、慈恵式か九大式かとの違いで、もうどっちが優れているとかは言えないもので、医療とはそういう面が多々あります。