日本美容外科学会で、学会統合は無理との話
この15,16日は日本美容外科学会がありました。私も学会発表し微力ながら貢献したつもりです。
さて、学会の終わりに弁護士の先生が2人壇上に立たれて法律家としての意見を言われました。お1人の弁護士の先生は、2つの美容外科学会の統合がJSAS側にマイナスに働く事を述べられ、また「美容外科の標榜が出来なくなるのは考えられない。」とも言われました。
学会の統合の件は3年前の学会で私が演者席に近づいては「絶対無理!」と皆に発言した理由と同じ事を聞かされました。あの時だろうが今だろうが、分かりきった事です。
弁護士の先生はJSAPSにJSASが吸収合併された際の不利益を主に定款からご説明されたのですが、昨年秋、波利井先生が両学会「ともにグサグサの定款です。細則もないし、こんなものは学会の定款と言えません。」と言われていただけにそれを元に説明で良いのか?と思いました。波利井先生は学会統合には諦念を持った上で、美容外科の行く末を悟り、4月の形成外科の学会でも保坂(元)昭和大形成外科教授の「形成外科をやっていれば美容外科はやれる。」とのご発言に、即座に「私は、ちょっと違う考えです。」と意見した内容(昨年11月14日記述のブログの末尾と同様)など、本当に考えの深い御仁だと思っています。
学会の統合が出来ないのは、定款云々より形成外科にとって「美容外科専門医は形成外科専門医である事」を外せば未来は萎むからです。ただこの趣旨を今、平気で聞かされると、私はウンザリします。私は医学生の頃、大学の図書館で「日本形成外科学会25年の歩み:1982年」を読んでは、岡山大の森本正紀教授が「正しい形成外科は全て保険診療で行われるべきもので、医学上必要と認められてない重瞼術、豊胸術、隆鼻術などは形成外科の枠外である。少しでも美しくなりたいとの人間の本能につけ込んで、せずもがなの手術を施し、而も多額の報酬を請求する巷の怪しげな美容整形医と我々は厳に一線を画するものであり、左様な不逞な輩は我が学会員の一人もいないと断言したものです。(原文のまま抜粋:私はコピー所持)」などを読み、また当時、形成外科と美容外科はそれぞれが横並びの独立した標榜科目であったことから、私は、よくよく先を熟慮してきたつもりでしたので、今になって「あの当時の意見は撤回ですwww。」みたいに聞くと、荒井注(ドリフ)流に「何だ、バカヤロー!」と言いたくなります。