美容外科学会は2種ある方が向上する
TPP反対とは日本の農業や医療を守ると言いますが鎖国の発想です。幕末に黒船が来て開国を迫り、明治維新から40年足らずで世界の1等国の仲間入りをした史実が日本にはあります。「知恵を絞れ、奮闘努力せよ」です。
今の選挙戦で渡辺喜美氏が、規制緩和で利権団体を崩し競争原理を導入する主張からTPPも賛成し、小泉元首相が進めた構造改革の更なる推進を意図してるそうですが、 さて、美容外科も参入する医師は何科出身でも構わない開かれた状況にする方が更に皆が激しい競争に揉まれて、優れた医師は更に伸び、適正のない医師・努力を怠る医師は脱落するから国家・国民の為になる気がします。
先日の学会で私がフロアーから発言し座長から「あの案はどう思いますか?」と尋ねられ、「形成外科の発展のため、この学会(JSAPS)の為には良い事だと思います。」と答えましたが、それはあの案が5年毎に厳しくなり、結局は美容外科専門医と認定されるには『形成外科専門医を有する』に限りなく近くなるのは必至と映ったからです。以前、「この学会はギルド」と言われた事もありましたが、ギルドとは品質の水準を保つにしても自由競争を排し閉鎖的・特権的にその団体の権益を守る仕組みであり、社会全体の為とは言えないものです。だから中世のギルドは衰退して行きました。
従って学会も2つあったままにした方が反って良い気がします。要は自由競争できる環境にして、当たり前ですが美容外科診療に秀でた医師が『美容外科専門医』を認定されるべきです。
また形成外科医の皆がマイクロや癌の再建では生きられないからと、スイーツ形成外科医がどっと美容に来られたのでは堪りません。私が平成2年に、後でJSAPS学術集会(総会)の会長になられた先生に言われたのは「一番大事なんは人間性や。もっとも2年位は形成外科のトレーニングがあったら合ったでええのんやがな。」と言われたことがあります。これを私流に言えば「目の前の女性を綺麗にしたいという気持ちをずっと保って仕事することが出来るか?」です。その気持ちさえあればテクニックは結局身に付きます。但し美容クリニックで縫合の1から学ぶようではハプニングがあった時に応用が利きません(続く)。