培養軟骨移植(整形外科講習)

美容外科医師のブログ:培養軟骨移植 昨日は、整形外科学会の講習に出ました。シンポジウムの1つは『軟骨損傷の治療」で広島大学教授の木村浩彰先生の講演でした。
①従来の軟骨損傷部での骨髄に達する複数の骨孔の形成術(ドリリング)で出来る軟骨は線維軟骨で本来の硝子軟骨より劣る。
②他所採取の軟骨を移植では滑らかな関節面が作り難い。
③組織学的手法として自家軟骨細胞培養移植として、軟骨細胞を複数単離→コラーゲンゲル内培養→軟骨欠損部に移植し骨膜でパッチする。このリハビリ中はリモデリング期として移植された軟骨細胞から、軟骨器質が継続的に産生され、より組織化された構造になる。①②より優れた新しい手法であるがまだ課題があり、解決策として成長因子の利用等が挙げられる(骨髄幹細胞も)。
・・・というものでした。美容外科でも隆鼻材料として培養軟骨を使うクリニックがありますが、まだ移植後の変型、例えば萎縮による鼻先のアップノーズ化などがあり、それを私も診た事がありますが、なかなか難しいなと思いました。それにしても術後1年の関節鏡で見せた再建像はお見事です。色合いはともかくツルッと出来あがっているのが凄いです。ただ今後は免荷を止め、普通に体重を掛けていれば培養軟骨は脆弱ですからヘタるか摩耗し易いだろうと思いました。