他院頬骨削り残しを見て、結局、割り切った手術か?と想う

qaddafi リビアのカダフィー大佐は27歳でクーデターに成功し実権を握ったと私は高校生の頃に知りましたが、イスラム社会の歴史には関心が薄いので、狂犬とも揶揄されるこの人物やこの国に対してはよく知りません。ただ昨今はニュースで度々顔を見ていたので、一昨日に他院頬骨削り修正手術の女性の顔を見ては失礼ながら『頬骨の削り残しで下瞼外側の出っ張りがカダフィー似。』と思ってしまいました。頬骨下方の削りは出来ていますので、これが反ってゴルゴ線を呈し尚更、カダフィーを想わせたのでした。
 前医は定型的なアプローチの口腔内とモミアゲの切開でしたが、レントゲンを撮って見て、それなりの効果を出した手術をやっていたと分かり決して失敗の部類ではないとは思いましたが、頬骨弓の骨切り前方の頬骨が眼窩に近い部分で全く削られておらず、それは視野が悪い部位だから削りあぐねたのか、時間切れか、割り切ってやっているので構わないのか、理由は分からないものの、とにかく患者さんの希望を満たす修正をしければなりません。最初は再度口腔内からの切開も考えましたが、眼窩に近い骨削りが目的ならばと、話し合いの上、下瞼切開のアプローチとしました(輪郭整形の頁の下段に写真)。下瞼切開は睫毛ギリギリで行い丁寧な縫合を行えば傷は殆ど分からなくなるのと、この人に上眼瞼切開の既往がありますので、今度の手術で確実に決めるとなれば、それで行きましょう。という話になりました。
 手術は骨がほぼ丸見えに近い状態でやれましたから絶対に満足して頂けます。一泊入院+ドレーン留置でしたから、昨日朝に圧迫を一旦外しドレーンを抜いた際は、もう良くなったのが確認でき、患者さんにもそれを鏡で確認して安心して頂きました。
 尚、この人は頬骨弓の骨切りの後方の骨の出っ張りも存在し、ここの骨削りは大して困難ではないので、この部も修正する際は、前医は気持ち的に割り切ってやっているので構わないという姿勢だったのか?と思いつつ治しました。