韓国整形美女の鼻は鼻中隔延長orL型プロテーゼ?
現在、鼻中隔延長手術がとても流行っていますが、元々は「短鼻(豚鼻)を長い鼻へ」、「上向きの鼻を下向き矢印鼻へ」に手術適応とするところ、鼻中隔延長でなくても他の手術法で同じような鼻ができるのに、医師またはカウンセラーが鼻中隔延長でご予約を薦めている傾向があります。
医療としては間違っていないから批判しにくいものですが、クリニックの奥で事務長から医師やカウンセラーさんが「売上を上げないと減給しますよ」と脅されて、料金が高く請求できる鼻中隔延長の手術適応にしているのではないか?そう穿った話も聞きます。
さて今は韓国整形美女のような『鼻は全体として高く、鼻尖トップの位置は上げ気味で、鼻柱が出ている』この形を希望する患者さんも多いですが、この形状を昔はどうやって作っていたかと言えば「L型シリコンプロテーゼ」を用いていました。
私は35年前から日本美容外科学会に参加していますが、当時は、添付写真のようなエリザベステーラーなどの横顔を例に、同じような鼻をどう実現するか度々発表がありましたが、鼻中隔延長なんて手術がない時代に、ああいう大女優の鼻を日本女性で実現する際に『脚のシッカリしたL型シリコンプロテーゼを入れる』と言われていたものです。
今の若い美容外科医からすれば「L型は、いずれ鼻先の皮膚が破れます!」「危険!」と決めつけて言われがちでしょうが、それは勤務先のクリニックの教育指導で今は「当院はI型しか使わない。」等と指導を受けて、現実にL型を入れた経験がないから、そのようなことを言われるのかと考えます。
私が若い頃に美容外科の院長らから指導を受けていた頃、「鼻はシリコンプロテーゼ1本で患者の希望をだいたい叶えられるものだ。基本は鼻スジを鼻先まで通すこと、これで鼻先の団子も改善するし、小鼻も目立たなくなる。そして万一の『戻したい!』には容易に対応でき、『修正して!』もまだ軟骨移植より遥かに容易に可能。だから特に若い患者さんこそ、L型または中間プロテーゼで希望を叶えてあげなさい。」と言われていたものでした。
そしてL型ですが、「鼻先のトップを上げる形にする場合、そうそう皮膚が破れはしない。しかし逆の鼻先を下げる場合はダメだ、皮膚の負担が大きすぎて破れる日が来る。」こんな感じでも指導を受けていました。
当院で十数年前に手術されたモニター様を載せます(画像クリックで拡大)。この人は鼻尖縮小も行い、部分切除した鼻翼軟骨をL型プロテーゼの先端に被せてハイブリッドにしていますが、女性の鼻翼軟骨は厚みが1mmもないのに、この人は10年以上過ぎてもトラブルなく美しさを保っています(ご家族が2年前に整形に来られた際に聞いて確認しました)。
このように鼻先が下がったようなイメージの鼻に対して、鼻先を上げる場合、L型プロテーゼは適応しても良いのです。費用は30万円以下でも済みますし、鼻が曲がるというトラブルも少なく、通気が悪くなることは標準的な術式で行う限り無いです。私は何百人もそれで手術して来まして、最後の検診時に「先生、魔女鼻を治してくれてありがとうございました(笑。」なんて会話は幾らでもありましたし、確かに上げる分にはトラブルが起きた人は経験していません。
しかし「今より鼻先が上がるのは困ります。ちょっと下げて欲しい。」とのご希望に合わせるのにL型プロテーゼを使うのは、やはり危ないものです。
以上、今の風潮では「L型を・・・」とカウンセリングで触れれば、患者さんは『技術が低い。』と思われがちなので、詳述させて頂きました。