隆鼻:ハイブリッド法:プロテーゼ+耳介軟骨
私が大手クリニック在職中の平成9年頃、左写真のように、プロテーゼの耳介軟骨を透明のナイロンで縫って接合して隆鼻材料とする事を始めましたが、私が「“ハイブリッド法”と名付けましょう。」と言いましたら、本当にそのクリニックの手術メニューに、“ハイブリッド法” の名前で載ってしまいました。ハイブリッドとはプリウスやインサイトのような車がまだ出現する遥か前のことでしたから、私にとって「テープレコーダーの磁気読み込みヘッドがアモルファス合金で、それはAuとSiの“ハイブリッド”」と呼ばれていたことから勝手に名付けていました。
≪画像クリックで拡大の頁へ 軟膏は白い色なのに写真で赤く見えるのは、軟骨膜を剥がして軟骨を重ねて固定した後で、軟骨の上に軟骨膜を乗せて糸で固定してあるからです。
この事を某先生に言ったら「軟骨膜を乗せたって気休め程度ですよ。」と嘲笑されたこともありました。しかし私の臨床経験上、これをやると何年経っても鼻先の皮膚に可動性が得られていますから意味はあると思っています。
15年前くらい前迄は、鼻先の皮下に軟骨をそのまま入れていましたが、そのやり方で鼻先をかなり突き上げたり、下げたりすれば、皮膚が破れないまでも、薄くなって皮膚の下に軟骨の存在が透けて見えるような外観を呈していました。触れてみますと鼻先の皮膚が下の軟骨と癒着し動きもしません。皮膚が破れはしなくてもこれでは患者さんの満足は得られません。それを改善する為、軟骨移植する際、軟骨膜を上に被せる様にしたのです。