クマ治療(経結膜法脱脂+注入)の持続期間

目の下のクマの治療は、若い人の場合は、眼袋の膨らみを瞼の裏から脱脂し、その脂肪をクマの凹み部に注入する術式を行う方法が一番良いと思えます。

さて、この手術を一度受けた人が何年か経って、「再発したのでもう一度お願いします」と来たことがないものです。

このことを以前、他の医師とディスカッションしたことがありますが、脱脂の際に瞼の裏で脂肪を切り離す時に出血しては困るので、入念にバイポーラー(電気止血摂子)で止血すると、そこが瘢痕と言いますかバリアーが出来て、後年に奥から脂肪が出てくるのを、そのバリアーが留めてくれているのではないか?等と話し合ったことがあります。


今回、約10年ぶりにモニターさんが、ご来院して下さいましたので、画像を挙げてさせて頂きます。
上から順に「術前、術後3ヶ月、術後10年」なのですが、10年経って再発の気配すらありません。

こうやって画像を縦に並べてみて、ちょっと感動しました。

この経結膜法脱脂+注入は皮膚を切らないので傷が残らない腫れも少ないのが利点ですが、皮膚を切らない分、年配の人が受けた場合、眼袋の膨らみがフラットになった分、小じわが生じる様になるのが問題です。

他に瞼の裏から視野が狭い状態で脱脂ししつつ脂肪切除するので、万一出血した際に止血し難く、後日下瞼に紫色の皮下出血斑ができることも稀にはあります。

また術後に注意としては、いくら皮膚を切っていないと言っても一週間くらいは局所安静を保つべきで、要らぬ運動をするとか、熱い風呂に入るというのは避けた方が良いです。