顎プロテーゼ(シリコン)

顎を前に出す治療は少しで良ければ、架橋の強いヒアルロン酸注入もありですが、しっかり出す、前にキュっと出すというのは、プロテーゼを入れるべきです。

プロテーゼの素材はシリコンで行っている美容外科が大半です。
本日ご紹介のモニターさんは、このシリコンを口腔内切開で挿入しました(画像クリックで拡大します)。

女性に行う場合の注意点は多くの人が顔を大きくみせたくないですから、顎が下に伸びたように入れない。つまり前だけに出すようにして入れることです(男性の場合は、顎の存在感を持たせたいと、斜め下に伸ばし横幅もあるように希望する人はいます)。

なお、一般のHPなどでは余り語られないことですが、顎においては鼻と違って「骨膜の上にシリコンを置く」ことが肝要です。
上顎と下顎の骨は発生学的に異なり、下顎の骨は鎖骨に近いものです。
そのためか、鼻の手術の際は、シリコンを骨膜の下に入れても問題ないですし、むしろ安定・固定のためには、そうすべきですが、顎は違います。

顎の骨の前の骨膜を剥がして骨膜下にシリコンを入れ骨と密着させますと骨が溶けて行きます。これはきちんとして医学書にも書いてあることで、「骨吸収」と説明されています。
ですから私は骨膜の上に置くようにしているのですが、ずれないように又、縁が分かり難いようにシリコンの材料を加工するのに気を使います。

それで顎に関しては既製品を使わず、シリコンブロックから削り出した「オーダーメイド・プロテーゼ」を作って使用しています。