鼻の「中間型」プロテーゼ

本日ご紹介のモニターの人は、もう何年も前の方ですが、シリコンプロテーゼを用いた隆鼻術を受けられています。プロテーゼの形状は、鼻先側に短めの脚をつけた「中間型」となります。(画像をクリックで拡大)

この中間型とは昭和大学形成外科の教授の本の中に図解で説明されていますし、「中間型は私が好んで用いるもの」との記述があるように、元々は一般的に知られた呼称だったと思います。
私は平成元年9月~3年3月まで昭和大学形成外科の助教授を経て開業された徳永先生の下に週一のペースで勉強に通いましたが、徳永先生も中間型を好んで用いていたものです。

それで私も勤務医の頃や開業してからも、患者さんにはカルテに図解入りで説明しては中間型を多用してきました。もっともこの10年余りは鼻先は耳介軟骨を重ねて入れて高くするのも増えましたし鼻中隔延長も行うので、中間型の使用は減ってはいます。

そして近年、気が付いたのですが、「中間型」の呼称が少なくとも患者さんの間では殆ど無くなっていて、私から「中間型」シリコンプロテーゼを用いた隆鼻術を受けている患者さんでさえ忘れているのです。そして随分年数が経った「中間型」を入れた人から「i型かL型か教えてください。」とメールで尋ねられたことも、つい最近あります。
今はプロテーゼはI型(以前ならボート型の呼称)で鼻先は軟骨で作るのが一番良いと(金額の暴騰は別として)記述する医師は増えましたから、それを読んだ患者さんは、10年以上前に入れたプロテーゼの型は忘れても、I型を入れているんじゃないかと漠然と思うようです。そう聞きました。願望と思います。

そして若い又は我流でやってきた美容外科医が「中間型」の呼称を知らないのか、短めだが脚が付いているプロテーゼを見つけた時に、「L」だと言って、何型か覚えていない患者さんを使っては煽ることもあるのは困ったことです。