糸のリフトは半年で効果なくなるので若い人は脂肪吸引の方が良い
下記の『頬の脂肪吸引』のモニターさんの術前と似たような顔立ちの若い人が、「糸のリフトをやったけど、元に戻ったので今度は、もっと持続性のある治療を受けたいです。」と言って来られることは、この何年も続いています。
糸のリフトは1つの治療法として悪くはないのですが、本来はアンチエイジングとして老化で下がって来た輪郭に行うものです。元々頬に肉付きが良い若い人は肉のボリュームダウンで小顔化を図るべきで、頬の下の方の肉を上に糸で引っ掛け上げても、顔全体のボリュームは変わらないのでは小顔化にはなりません。
糸のリフトの単独手術が美容クリニックで大流行なのは、① 直ぐマスター出来る手技なので新人医師にも担当させられる、② 今のところ値崩れしていないから、のようです。
美容クリニックの経営者側からみれば、1時間以内の手術で30~50万円の売上になり、後々変形などのトラブルはないので、医師ら職員に患者さんには糸リフトを奨めるよう通達するのです。
糸のリフトの単独では効果が半年以内に無くなるのは医師には分かっていることです。しかし医師の相談時間が短く、患者さんへのお話を引き継ぐカウンセラーさんが話のお作法は上手としても、医療的な実態は知らないので、本気で「糸の回りにコラーゲンが形成されて、それが持続性に役立ちます。」と言う人もいるようです。これは嘘ではない言い回しですが、実は殆ど見た目に影響しないレベルの事です。
糸のリフトが単独では効果が半年以内になくなってしまうことを患者さんに十分説明し同意を得ること(インフォームドコンセント)、費用は10万円前後にすること。そのようであれば私は良いと思いますし、いずればそうなって行くと思います。
なお切開手術と糸のリフトの組み合わせは、糸のリフトで引き上がりが続いている状態で、剥離部の創傷治癒での線維化(コラーゲンの形成)で、効果が半年以上続いて行くものです。