2つの美容外科学会の統一 ⑭(良医・名医は結局、個人の資質で決まる)
私は医学部卒業前に将来、美容外科をやるにはどういう進路が良いのか聞き回って考えていた稀有な学生でした。当時年号は昭和でもあり、整形外科から入るのを大森系理事の江崎先生から薦められ、麻酔・救急も含め江崎先生の言われた通りに歩んできたのですが、美容外科の常勤になる前に週100時間勤務というかトレーニングを夜中までずっと続けられた事は大変良かったと思っています。一方、形成外科入局というもう一つの未来も又良かったのになと思っています。また、胸部外科や泌尿器科のご出身で美容外科の名医となられている先生もいますし、医師1年目から美容外科勤務で素晴らしく腕が良く患者さんの評判も良い先生も何人もいます。
今の私から言えば、良医・名医は結局、個人の資質で決まるのだと思っています。個人の資質とは持って生まれたセンス、目の前の女性を綺麗にしてあげたいという熱い気持ち、手技や麻酔の知識が足りなければ人に頭を下げてでも教えてもらう謙虚な姿勢などと思います。その上で何年何症例美容外科手術の経験を積み上げてきたか、これで決まるというところです。
そういう意味では、今回高須先生が2つの学会を統合する働きかけの際に呼びかけた「形成外科の中に美容外科を含むような狭い考えでない」で良いのですが、今まで私が色々書いてきました通り、総論賛成、各論反対で結局は2つの美容外科学会の統一は「無理」と観ています。
ただ念のため書きますが、私個人は叶う事なら統一して欲しいというのが本音です。